今回頂いた質問

114回の国試で、シリンジポンプに関する問題がありました。
その問題文にある「サイフォニング現象」って何ですか? 
聞いたことがないのですが…涙。

ご質問ありがとうございます。

1.サイフォンの原理

「サイフォニング現象」を知らなくとも、「サイフォンの原理」は聞いたことがあるのではないでしょうか。

サイフォンの原理とは、液体を満たした容器に管を入れ、管の中を液体で満たし、管の先端の片方が容器よりも低くなるようした際に、その管に液体を汲み上げる仕組みがなくても、液体が高いところから低いほうへ流れる原理をさします。

これを応用した看護技術に、「高圧浣腸」があります。高圧浣腸は、浣腸液の液面が肛門より50cm高所になるようにイリゲーターをつるし、サイフォンの原理によって薬液を大腸内に注入する方法です。

2.サイフォニング現象とは?

話を「サイフォニング現象」に戻します。
これは、シリンジポンプ使用時に起り得る「サイフォンの原理」による現象です。

シリンジポンプとは、微量の薬液を持続的に静脈内に注入するための機器です。シリンジポンプ使用時は、シリンジを適切に機器内に固定することが重要です。

しかし、固定がされておらず、しかも刺入部とシリンジのあいだに高低差があると、サイフォンの原理が働き、シリンジから薬液がどんどん体内に入ってしまいます。もともと微量ずつ注入するはずの薬液が一気に大量に体内に入ってしまうため、有害作用の出現が懸念されます。

「サイフォニング現象」を防ぐためには、シリンジを機器内に適切に固定すること、刺入部とシリンジポンプとの間の高低差をなくすことが大切です。

 
以上が質問の回答です。
では、「シリンジポンプのサイフォニング現象」に関する国家試験の問題を実際に解いてみましょう。

問題

第114回 看護師国家試験 午後問題34

シリンジポンプを使用する際に生じるサイフォニング現象の原因はどれか。

1.内臓バッテリーの残量が少ない。
2.輸液ラインに血液の逆流がある。
3.輸液ラインに大量の空気がある。
4.刺入部とシリンジに高低差がある。

正解… 4
1.× 内臓バッテリーの残量が少ないこととサイフォニング現象は関係ない。ちなみに内臓バッテリーの残量が少なくなると、シリンジポンプのアラームが鳴る。
2.× 輸液ラインに血液の逆流がみられるのは、刺入部よりシリンジを低く設置した場合に生じる現象である。
3.× 輸液ラインの大量の空気は輸液ポンプによって検知され、アラームが鳴る。サイフォニング現象とは関係はない。
4.○ 刺入部よりシリンジを高い位置に設置することは、サイフォニング現象の原因となる。

●基礎看護学について理解を深めるには、科目別強化トレーニング

編集部より

輸液管理やシリンジポンプについては、国家試験ではよく出題されています。実習で直接扱う機会は少ないと思いますが、使用薬液の薬理作用の確認や、薬液希釈の計算、輸液ラインや機器の安全点検などは経験できると思います。実物をしっかり観察して、学習を深めるようにしてください。