今回頂いた質問

脳死の判定方法には、どのような基準があるのですか?教えてください。

ご質問ありがとうございます。

1.脳死とは何か??

脳死とは、脳の機能が停止した状態を「死」とする考え方のことです。
平成9年(1997年)に成立した臓器の移植に関する法律〈臓器移植法〉によって、定める条件がそろった時は、脳死を「人の死」と判断してもよいということが決まりました。

2.脳死の判定方法について

判定については、次のように規定されています。

前提条件

(1)器質的脳障害により、深昏睡及び無呼吸となっている症例
(2)原疾患が確実に診断されている症例
(3)現に行いうるすべての適切な医療をもっても回復の可能性が全くないと判断される症例

判定基準

(1)深昏睡
(2)瞳孔の散大・固定(瞳孔径が左右とも4mm以上で、刺激に反応しない)
(3)脳幹反射消失
(4)平坦脳波
(5)自発呼吸の消失

観察期間

2回目の検査は、上記の判定基準(1)~(5)の全ての条件が満たされた1回目の検査終了時から、6時間以上経過して変化がないことを確認する。
以上を、必要な知識と経験をもつ移植に無関係な2人以上の医師が行う。

 

3.「臓器の移植に関する法律」の改正

平成22(2010)年7月の法改正により、本人の臓器提供の意思が不明な場合も、本人が生前に拒否の意思を示しておらず、家族の承諾があれば臓器提供できるようになりました。
また、15歳未満(小児)の脳死下での臓器提供も可能となりました。

では、「脳死」に関する国家試験の問題を実際に解いてみましょう。

問題

第114回 看護師国家試験 午後問題13

臓器の移植に関する法律において脳死の判定基準となっている検査はどれか。

1.脳波検査
2.筋電図検査
3.神経伝導検査
4.脳脊髄液検査

正解… 1
1.○ 脳波検査により、平坦脳波(脳波が検出されない)ことを確認する。
2.3.4.× これらの検査は、脳死判定には用いられない。

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編集部より

脳死は臓器移植と関連して考えられるようになり、「脳死」を「人の死」とするかどうかについて、現在も賛否両論の意見があります。そこには、「人の死とは何か?」という問いに対する個人の考え方や、家族による患者への想いなどの複雑な要素が絡むこともあり、答えをひとつにするのは非常に難しいのが現状です。
一方で、臓器移植法成立後からこれまでの脳死下における臓器移植件数は約1,200件にのぼり、移植以外の治療法がない患者さんの命が救われていることも事実です。