先日、新聞でこんな記事を見かけました。


「大分県は18日、県内のインフルエンザ患者数が一定数を超えたため、「流行期に入った」として注意喚起を始めた。例年より2カ月以上早く、統計を始めた1999年以降では、新型インフルエンザが流行した09年を除き最も早いという。
----朝日新聞 2019年9月20日


ということで、今回はインフルエンザについて調べてみよう!

 
用意した参考資料は・・・
○医学書院刊『系統看護学講座 専門分野II アレルギー 膠原病 感染症(第14版第1刷)』P.349~350
○国試過去問題集
○厚生労働省 インフルエンザ(総合ページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/index.html
○国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/

インフルエンザの特徴

■インフルエンザウイルスはA型・B型・C型に大別され、このうち大きな流行の原因となるのはA型とB型である。
■ウイルスの潜伏期間は1~3日間である。
■日本では、例年12月~3月が流行シーズンである。
咳やくしゃみなどの飛沫によって呼吸気道感染する。
■38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が急速に現れる。
乳幼児、高齢者、基礎疾患をもつ患者がウイルスに感染すると重症化しやすい。
■ワクチンは、ウイルスの感染や重症化、合併症(脳炎・脳症)の予防に効果がある。任意接種である。
予防接種を受けてもウイルスに感染して発症することはある

 

治療のポイント

発症48時間以内に抗インフルエンザウイルス薬(オセルタミビル、ザナミビルなど)を使用すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、ウイルス排泄量も減少する。
■治療に抗ウイルス薬の投与は必須ではなく、3~10日程度で自然軽快する。安静にし、水分や栄養、睡眠を十分にとることが重要である。
悪寒のない高熱時はクーリング(首筋、わきの下、足の付け根)で対応する。解熱剤はインフルエンザ脳炎・脳症の発生率を高める可能性があるため、安易に使用しない。やむを得ない場合は、医師の診断を受けて処方された解熱剤を使用する。
■ウイルスに感染することで肺炎球菌などの細菌にも感染しやすくなる。混合感染によって起こる気管支炎や肺炎などの合併症に対する治療として、抗菌薬などを使用することもある。

 

看護のポイント

手洗いは付着したインフルエンザウイルスを物理的に除去するのに有効である。職員はマスクや手指衛生を徹底し、血液・体液や粘膜、創に触るときは清潔な手袋を使用する。
発症前日から発症後3~7日間は鼻や喉からウイルスを排出する。そのためウイルスを排出している間は、患者は外出を控え、マスク着用を継続する
■ウイルスは乾燥状態が続くと感染がおこりやすくなる。湿度40%以上を保つことが感染予防に重要である。
■飛沫で汚染した手指や物品を介しても感染するため、個室収容またはインフルエンザ発症患者を同室に収容するコホーティングを基本とする。やむなく大部屋収容する場合はベッドを仕切るカーテンを閉め、他の患者への直接飛沫を回避する。
■インフルエンザは発熱に伴う異常行動を起こしやすい病気である。小児・未成年者が自宅療養する場合は、抗ウイルス薬使用の有無にかかわらず、発熱後2日間は一人にしないよう保護者に指導する

 

国試ではこう出る!

【第100回 PM55】
慢性閉塞性肺疾患の患者にワクチン接種を勧めるのはどれか。
1. B型肝炎
2. 日本脳炎
3. 流行性耳下腺炎
4. インフルエンザ  ○
【第106回 PM15】
飛沫感染するのはどれか。
1. 疥癬
2. コレラ
3. A型肝炎
4. インフルエンザ  ○
【第104回 AM59】
インフルエンザが流行しているが、小規模多機能型居宅介護を行う事業所では罹患者はいない。この事業所で看護師が行う罹患予防の対策で最も適切なのはどれか。
1. 宿泊の利用を断る。
2. 湿度を10%以下に保つ。
3. 利用者に手洗いを勧める。  ○
4. 利用者に予防的に抗インフルエンザ薬を与薬する。

インフルエンザは頻出キーワードの一つ。選択肢や状況設定問題の文中に出されることも多いので、しっかり特徴を押さえておこう!