世界経済フォーラム(WEF、本部スイス・ジュネーブ)は17日、各国の男女格差を調べた「男女格差(ジェンダーギャップ)報告書」を発表した。日本の順位は過去最低となる121位だった。報告書は毎年発行され、今回の調査対象は153か国。アイスランドが11年連続の1位になるなど、北欧諸国が上位を占めている。
----朝日新聞社 2019年12月17日
ということで、今回は性について調べてみよう!
用意した参考資料は・・・
○医学書院刊『母性看護学概論』
○国試過去問題集
○内閣府 国際平和協力本部事務局(PKO)第70回 性差:ジェンダーとセックスの違い
http://www.pko.go.jp/pko_j/organization/researcher/atpkonow/article070.html
○内閣府男女共同参画局
http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2019/202001/202001_01.html
○性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=415AC1000000111
人間の性の考え方は5つある!
人間の性の定義には、(1)性別、(2)生殖、(3)快楽、(4)連帯、(5)性役割の5つがあり、ジェンダーは性役割としての性を指します。
具体的には、「女性らしさ、男性らしさ」や「仕事は男性、家事・介護は女性」といった文化社会的な役割分担の規範のことで、地域や時代によって変化します。
■性別としての性は、男性・女性の性差を区別する性
■生殖としての性は、種の保存と繁栄のための性
■快楽としての性は、快楽を目的とした性
■連帯としての性は、人間関係の形成や結びつき
■性役割としての性は、男性役割、女性役割の社会的な役割規定
性同一障害者はトランスジェンダーに含まれる!
トランスジェンダーは、生物学(遺伝)的な性と、本人の認識している性にギャップがある人のことをいい、性同一障害者はこのトランスジェンダーに含まれます。
「性同一性障害」は、医学的・法律的な名称であり、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」では、下記のように定義されています。
『「性同一性障害者」とは、生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているもの』(第2条)
平成16(2004)年に性同一障害者は戸籍の変更が可能になりました!
『家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる』(同法第3条)とされています。
1.二十歳以上であること。
2.現に婚姻をしていないこと。
3.現に未成年の子がいないこと。
4.生殖腺せんがないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
5.その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
国試ではこう出る!
人間の性の意義と特質の組合せで適切なのはどれか。
1. 快楽性としての性――――種の保存
2. 生殖性としての性――――心理・社会的属性
3. 性役割としての性――――性的指向
4. 連帯性としての性――――人間関係の形成 ○
性同一性障害〈GID〉/性別違和〈GD〉について正しいのはどれか。
1. 出現するのは成人期以降である。
2. ホルモン療法の対象にはならない。
3. 生物学的性と性の自己認識とが一致しない。 ○
4. 生物学的性と同一の性への恋愛感情をもつことである。
平成16(2004)年に性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が施行され、戸籍上の性別を変更することが可能になった。
その変更の条件で正しいのはどれか。
1. 15歳以上であること
2. うつ症状を呈していること
3. 現に未成年の子がいないこと ○
4. 両親の同意が得られていること
性やジェンダーは母性の頻出キーワードなので、しっかり理解して覚えておこう!