看護学生にとって「最大の学びの場」である臨地実習……
でも、そこは、「最大の悩みの場」でもあるかと思います。
実習指導のプロにお悩みを相談し、少しでも解決の糸口を見つけてほしいと思います。
今回はどんなお悩みでしょうか?
桜田亜己先生に相談してみましょう!
お悩み6:効率よい記録の書き方とは?
(Tさんのお悩み)
私は要領が悪くて、記録を書くのに時間がかかってしまいます。実習中は記録を書くのが大変で、ほとんど眠れなくてつらいです。記録を効率よく書くためにはどうしたらいいですか?
Tさん、ご相談いただき、ありがとうございます!
ほとんど眠れないのは本当につらいですよね。実習では、十分な睡眠をとり、心身のコンディションを整えて、患者さんに安全性の高い看護ケアを提供することが大切です。そのためにも、実習記録に費やす時間を少しでも短縮したいですよね。
さっそく本題ですが、実習記録を書く際、事前の準備をせずに、真っ白な記録用紙を前にしていきなり文章を書き始めようとしていませんか?
実は、「書く」という作業は、実習記録を完成させる最終段階です。実習記録を効率よく仕上げるためには、「書く」ためのさまざまな準備や工夫が欠かせません。
そこで今回は、「実習記録を効率よく書くための準備&工夫のポイント」を3つお伝えします。私が実習で担当した看護学生たちの成功事例もイラストで紹介しますので、ぜひ参考になさってくださいね。
ポイント1.書くための時間管理を行うく
・すべてのタスクをリストアップする
未完了の実習記録について、「タイトル」「提出期限」「おおよその所要時間」をリストアップしましょう。これにより、実習記録の進捗状況を把握しやすくなります。
・優先性を把握する
リストアップした実習記録の中から、緊急性や重要度、作業の効率性を考慮し、その日に優先して取り組むべきものを把握しましょう。
看護過程の記録については、「平日のうちにどれくらいのペースで取り組めるとよいか(週末にまとめて取り組んでも良さそうな記録はどれか)」などを、患者さんの状態や実習の進捗状況に合わせて、担当教員と相談しておきましょう。
・その日のスケジュールを組み立てる
優先順位に基づいて、その日のスケジュールを立てましょう。「実習の休憩時間に経過記録を書く」「学校で行動計画を完成させてから帰宅する」など、場所や内容についても細かく計画しておくと、スムーズに作業を進められます。
ポイント2.書くための材料を準備する
・アセスメントに必要な情報をリストアップしておく
事前学習として、アセスメントに必要な情報を看護理論(ゴードンやヘンダーソンなど)の枠組みごとにリストアップしておきましょう。これにより、患者さんから得た情報をスムーズに整理しやすくなります。
・患者さんの情報は時系列や項目ごとにまとめておく
患者さんから得た情報は、時系列や項目ごとにメモを取っておきましょう。これにより、患者さんの状況や治療の経過をスムーズに把握でき、実習記録(特に経過記録、アセスメント、看護計画など)を書くのが楽になります。
・実習中はこまめに&リアルタイムでメモを取っておく
実習中は、看護介入の場面ごとにこまめにメモを取りましょう。記録を書く際に思い出しながら書くよりも、看護介入が終わった直後にリアルタイムでメモを取っておく方が、その場の状況や自分の感じたことをより正確に記録できます。
ポイント3.書くための設計図を準備する
・基本的な構成やルールを押さえておく
実習記録や看護過程に取り組む前に、あらかじめ基本的な構成やルールを押さえておくと、スムーズに書きやすくなります。学校の授業資料や看護過程の参考書を活用し、「どんな内容が含まれているか」「どんな構成になっているか」を確認しておきましょう。
いかがでしたか?
ちょっとした準備や工夫を重ねることで、実習記録はグンと書きやすくなります。今回の記事を参考に、できるところから始めてみてはいかがでしょうか。
読者の皆さんが楽しく充実した実習を過ごせることを願っています。看護学生としてのさらなる成長を目指して、一緒に頑張りましょうね!