今回頂いた質問

児童相談所は、児童虐待のほかにどのような相談に応じていますか?

ご質問ありがとうございます。

児童相談所が対応している相談業務は下記のとおりです。

・障害相談:障害児、発達障害、重度の心身障害など
・育成相談:性格、行動、しつけ、不登校など
・養護相談:父母の家出、死亡、離婚、入院などによる養育困難、虐待など
・非行関係相談:いじめ、家出、交友関係、問題行動など
・その他の相談:子どもの一般的な健康相談、里親など

児童相談所への相談件数は年々増加傾向にあり、特に児童虐待に関する相談が増えています。2007年に行われた児童虐待法改正によって、児童相談所の強制立入権が法的に認められましたが、虐待による被害は後を立たず、児童相談所の役割については現在も議論が続いています。

では、第100回の国家試験問題を実際に解いてみましょう。

問題

第100回 看護師国家試験 午前問題35

児童相談所で正しいのはどれか。

1. 国が設置する。
2. 児童福祉司がいる。
3. 設置は任意である。
4. 一般的な事例への対応が中心である。

1.× 都道府県が設置する。
2.○ 正しい。児童相談所には児童福祉司・児童相談員・医師などの専門職員がいる。
3.× 児童相談所は都道府県(指定都市を含む)に設置義務が課されている。
4.× 児童相談所は、精神衛生や心理学などの専門的な知識および技術を必要とする事例に対応する。

答え…2

編集部より

児童虐待による被害から子どもを守るため、2000年11月に「児童虐待の防止等に関する法律」(通称 児童虐待防止法)が施行されましたが、約10年以上経った現在においても、虐待による被害は後を絶ちません。看護師には「虐待の可能性がある子どもを発見した場合に、速やかに市町村、都道府県の設置する福祉事務所、児童相談所などに通告する」ことが義務づけられています(児童虐待に係る通告)。虐待者との利害関係や年齢上の理由から、虐待を受けた子どもが自ら通報することは極めて困難な場合が多く、私たち周囲の大人が虐待の事実を発見し、しかるべき対応を図ることが虐待防止につながるということを覚えておきましょう。