今回頂いた質問

エコノミークラス症候群とはどのようなものですか?教えてください。

ご質問ありがとうございます。

1.エコノミークラス症候群とは

エコノミークラス症候群の正式な疾患名は「肺血栓塞栓症〈静脈血栓塞栓症〉」といいます。脚の深部静脈でできた血栓がはがれて肺に到達し、肺の血管を塞ぐことによって起こります。呼吸困難・胸痛・失神・意識消失などを起こし、最悪の場合には死に至る危険なものです。
車や飛行機に乗っている時など、長時間同じ姿勢を保つことにより、脚の血流が悪くなり、肺塞栓症が発生しやすくなります。「エコノミークラス症候群」という俗称から、一般にも広く知られるようになりました。

2.予防策

肺血栓塞栓症は、災害時に狭い避難所や車内での生活が長期間続くような場面でも発生することがあります。
平成16年(2004年)に発生した新潟県中越地震では、車内や狭い避難所で生活していた避難住民に、肺血栓塞栓症が多く見られたことが話題となり、その後の大規模自然災害後の避難所などでは、肺血栓塞栓症を防止するための体操などが行われています。
具体的な予防としては、かかとの上げ下げ運動、歩行、適度な水分摂取、定期的な換気など、脚の血流促進を保つように工夫することが効果的といわれています。

 
以上が質問の回答です。
では、「肺血栓塞栓症」に関する国家試験の問題を実際に解いてみましょう。

問題

第114回 看護師国家試験 午前問題70

精神科病院入院患者の身体的拘束中に発生しやすい合併症はどれか。

1.糖尿病
2.足白癬
3.悪性症候群
4.肺血栓塞栓症

正解… 4
1.× 身体的拘束が原因で、糖尿病を発症することはない。
2.× 身体的拘束が原因で、足白癬(いわゆる水虫)を発症することはない。
3.× 悪性症候群とは、抗精神病薬などの使用による副作用のひとつ。自律神経症状である意識障害、発熱、筋肉の硬直などがみられる
4.○ 精神疾患にかかわらず、身体的拘束や長期臥床、術後など長時間同じ姿勢を保っている状態では、肺血栓塞栓症が発症しやすい。入院患者の場合は、弾性ストッキング着用や足や下腿への圧迫ポンプ装備による予防を行う。

●疾病の成り立ちと回復の促進、看護の統合と実践について理解を深めるには、科目別強化トレーニング

編集部より

肺血栓塞栓症は、車内や飛行機内に限らず、長時間椅子に座って過ごすことの多い人にも、症状がみられることがあります。受験生も決して例外ではありません。みなさんも国家試験に向けて、何時間も机に向かって過ごす機会が増えてくると思いますが、適度に机を離れて水分を摂ったり、気分転換したりすることも忘れずに……。