今回頂いた質問

精神科デイケアはどのような目的で利用されるのでしょうか?またどのような患者さんが対象になりますか?

ご質問にある「精神科デイケア」は、精神障害者の地域生活を支えるためのサービスです。精神科の病院やクリニックだけでなく、保健所や精神保健福祉センターでも実施されています。

精神科デイケアの目的

デイケアには医師の指示のもと看護師作業療法士精神保健福祉士臨床心理士など様々な職種のチームが関わります。患者さんは、施設に通所して、料理やスポーツ、社会見学、創作活動などのプログラムを行います。入院治療の代わりとしての参加もあれば、入院治療後のリハビリテーションの一環として利用されることもあります。

4つのケア

デイケアはグループワークが基本であり、時間によって4つに分類されます。
1.ショートケア  (3時間程度
2.デイケア    (6時間程度
3.ナイトケア   (夕方から夜間にかけて4時間程度
4.デイナイトケア (朝から夜まで10時間程度

サービスの対象者

再発のリスクが高い人
家事や仕事ができるようになりたい人
仲間や居場所が欲しい人
社会資源について知りたい人

では、国家試験で出題された精神科デイケアに関する問題を解いてみましょう。

問題

第103回 看護師国家試験 午前問題70

精神科デイケアの目的はどれか。

1.陽性症状を鎮静化する。
2.社会生活機能を回復する。
3.家族の疾病理解を深める。
4.単身で生活できるようにする。

1.× 幻覚・妄想や思考障害などの陽性症状は、薬物療法、または刺激の少ない入院治療によって鎮める。
2.○ 精神科デイケアには、規則正しい生活リズムの習得や、人とのコミュニケーションや自己表現を通して、社会生活機能の回復をはかる役割がある。
3.× 家族の疾病理解を深めるためには、症状に対する適切な対応と接し方を学ぶ家族心理教育を行う。
4.× 単身で生活できることを目的に行う支援は、共同生活援助(グループホーム)や訪問看護である。

答え…2

編集部より

地域での生活を支援するサービスは、デイケアの他にも、共同生活援助(グループホーム)、ショートステイ、ホームヘルプ、小規模作業所などがあります。それぞれの特徴を教科書で再度確認してみましょう。