今回から科目毎の国試攻略法をお伝えしていきます。
と、その前に、国家試験の基本中の基本をお伝えしておきます。

何はなくとも、過去問題!!

過去問題は、国家試験対策をしていく上で絶対に欠かせないものです。「過去問集を買って、最低3回やりましょう!」ってよく聞くけれど、本当? それは科目によりけり、そしてあなたの取り組み方次第です。

過去問題からの出題傾向をお伝えしておくと……
必修問題はここ数年、過去問題をベースとして、形式や選択肢を少し変えているものが多く出題されています。なので、過去問題をじっくり、何回もこなすというのは本当に王道中の王道です。
一方、一般と状況は必修と比べると「そのままの形」で出ることは多くはなく、特に112回の状況設定問題は、症例は過去問題と一緒であっても、その問題は異なっているというパターンが多くなりました。なので、過去問題を何度も解いて、答えを覚えてしまうくらいまでやり込んでいても、いまいち点数が伸び悩むというケースがありました。

では、必修はいいとして、一般・状況対策はどうしたらいいの? となりますが、まずは過去問題集を購入しましょう。
そして、過去問題集を使う際には
(1)科目毎の出題傾向を理解する
(2)○の選択肢だけでなく、×の選択肢についても、吟味し、理解する
という2点を忘れずに行ってください。

(1)の理由は、国家試験の膨大な範囲をどこに重点を置いて勉強すべきか…それを理解するためには、過去の出題傾向を知る必要があるからです。
(2)についてですが、×だった選択肢を自分でしっかり調べ、周辺知識まで理解を深めていくことで、アレンジ、変更された問題が出た時に、得点につながるからです。

 

では、ここからは必修問題対策についてお話していきます。

1点も逃さない必修対策、とは?

必修問題の攻略ポイントは、これだ!

1)出題基準に沿って重要項目を暗記しよう。
2)過去5年よりもさらに遡って過去問題を解いておこう。
3)数字はそのものを覚えよう。

1)出題基準に沿って重要項目を暗記しよう。について

みなさん出題基準は持っていますか?「出題基準ってなに?」って思ったそこのアナタ、今すぐダウンロードしましょう(コチラから)。出題基準とは、厚労省が定める国家試験の出題範囲のことです。
なぜ、必修問題の攻略において出題基準が重要かというと、出題基準のキーワードがそのまま出題されているからです。

出題基準を見てみましょう。
令和5年版 看護師国家試験出題基準 看-6のページから

過去問を見てみましょう。

第110回AM15 
喀血の特徴はどれか。 答え 泡沫状である。
第110回PM14 
四肢のうち麻痺している部分を斜線で図に示す。片麻痺はどれか。 答え 3

いかがでしょうか。小項目(キーワード)そのままですね。
というように、出題基準の大・中・小項目(キーワード)に沿って、徴候、診断基準、主要な症状、治療を押さえておきましょう

 

2)過去5年よりもさらに遡って過去問題を解いておこう。について

111回、112回と多くの問題が過去に出題されたもので占められましたが(約2/3)、出題された過去問題は、過去5年(111回〜107回)よりもさらに以前のものが、たくさん出ていました。

第112回AM3 
喫煙指数(Brinkman〈ブリンクマン〉指数)を算出するために、喫煙年数の他に必要なのはどれか。
1.喫煙開始年齢
2.受動喫煙年数
3.家庭内の喫煙者数
4.1日の平均喫煙本数
正解/4

こちらの問題は、101回で出題されています。

第101回PM11
喫煙年数のほかに、喫煙指数(Brinkman〈ブリンクマン〉指数)を決定するのはどれか。
1.喫煙開始年齢
2.受動喫煙年数
3.家庭内の喫煙者数
4.1日の平均喫煙本数
正解/4

もう1問見てみましょう。

第112回PM19 
不活動状態が持続することで生じるのはどれか。
1.廃用症候群
2.緊張病症候群
3.慢性疲労症候群
4.シックハウス症候群
正解/1

こちらの問題は、103回追試で出題されています。

第103回追試AM17
廃用症候群を示すのはどれか。
1.濃い味付けに慣れると薄味がわからなくなる。
2.年齢を重ねると小さな字が読みにくくなる。
3.多量の発汗があると尿量が少なくなる。
4.歩かないと下肢筋力が低下する。
正解/4

なお、令和3年3月に厚生労働省が提示した「令和2年度第5回 医道審議会保健師助産師看護師分科会 保健師助産師看護師国家試験制度改善検討部会議事録」には、以下のような記載があります。

■既出問題について
既出問題の活用は、難易度の安定化の観点からも有用であり、引き続き活用する。
看護師国家試験における必修問題は、看護師にとって特に重要な基本的事項を問うものであることから、限られた範囲の中で繰り返し問うことが妥当であると考えられる。そのため、重要な基本的事項を繰り返し出題するなど、必修問題においてはより積極的に既出問題を活用していく。

つまり、113回も同様にたくさんの過去問題が出題されることは確実なので、必修問題が導入された93回以降の問題を確認しておきましょう。

 

3)数字はそのものを覚えよう。について

人口動態や統計数値などについての出題も、例年数題出題されますが、それらもそのままの数値を暗記するようにしましょう。

第111回AM2 
日本の令和元年(2019年)の死亡数に最も近いのはどれか。 
答え 138万人

なお、113回の国家試験受験者さんは、令和3年(2021年)のデータを中心に覚えておきましょう。
日本の令和3年(2021年)の死亡数は「143万人」、粗死亡率は「11.7」になります。

 

これらの3ポイントを押さえて、必修問題対策をしていきましょう!
また、今回の3ポイントの過去問を、コチラにまとめています。ぜひご利用ください。

次回は、みなさんの苦手な「人体の構造と機能」について説明します。