今回は、「基礎看護学」についてです。

基礎看護学の問題は、毎年240問中20問弱出題されますが、他科目に比べて難易度も安定していますし、集中的に勉強が必要という方は少ないのかもしれません。ということは、基礎看護学の問題は全体的に正答率が高い=点が取りやすい、とも言えます。だからこそ、ケアレスミスに注意して、確実に得点していきたい科目であるのではないでしょうか。

では、どのように攻略していけばよいでしょうか?

基礎看護学の攻略の攻略ポイントは?

基礎看護学の攻略ポイントは、これだ!

1)よく読んで答えよう!
2)わかっているように思えても、一度は教科書や参考書で確認を!
3)計算問題は焼き直しがほとんど!

 

1)よく読んで答えよう! について

基礎看護学の問題は、午前・午後それぞれ前半で出題されます。集中度も増してきて、1問1問考え込むより、テンポよく答えていきたいと感じやすい部分で出題されます。そういう時に起こりやすいのが、【ケアレスミス】です。
過去問を見てみましょう。

第108回 AM 38 
便秘を訴えている患者の打診のアセスメント項目で適切なのはどれか。
1. 固い腫瘤
2. 筋性防御
3. 叩打痛
4. 鼓腸
答え:4

答えは4の「鼓腸」です。鼓腸とは、腸内にガスが充満して、打診すると鼓(つづみ=日本古来の打楽器で、ポンッと心地よい音がします)を打つような音がすることさします。また、便秘と言えば、直腸に沿って触診するほうが一般的ですし、触診でみられる状態の選択肢が一番上にあるので、思わず選択肢1を○にしたくなります。問題文の「打診」を見逃した人は、1を選んだのではないでしょうか。
当たり前のことのように思いますが、ケアレスミスを防ぐには、問題文も選択肢も、注意深く読んで答えを選ぶこと。先入観は捨てること。性格的にせっかち気味の人は要注意です! また、問題文内のキーとなりそうな語彙を囲むなどの方法も、ケアレスミス対策になりそうですね。

 

2)わかっているように思えても、一度は教科書や参考書で確認を! について

上記1)にも関連しますが、自分で過去問や模試問題の復習をするとき、基礎看護学の問題は、どうしても「これは当然知ってます!」と自信を持って回答に○をつけたくなります。でも、知っている問題であっても、一度は教科書・参考書で確認しましょう。確認することで、自分の知識の裏付け・自信になります。この積み重ねが、国試本番で起きてほしくない「あれ? これって本当にこれでよかった?」を回避することにつながります。

過去問を見てみましょう。

第110回 PM 38
成人の上腕での触診法による血圧測定で適切なのはどれか。
1.ゴム嚢中央が上腕の正中線に沿うように合わせる。
2. マンシェットの幅は13~17㎝のものを使用する。
3. 加圧後1秒ごとに10mmHg下がる速さで減圧する。
4. 動脈の拍動が触知できなくなった値からさらに40mmHg加圧する。
答え:2

選択肢1を誤って選んだ人が多かった問題です。血圧測定はみなさんも臨地実習で多く実施してきた技術のひとつではないでしょうか。マンシェットの巻き方は、感覚的にササっとやってしまっていて、改めて聞かれると「あれ? どうだった?」となりやすいのではないでしょうか。
読み方によっては、「選択肢1で問題ないのでは?」となりますが、教科書を確認すると「動脈を均等に圧迫するため、上腕動脈の走行とゴム囊の中心を合わせる」と掲載されています。「上腕」そのものではなく「動脈」上にあることが重要なのです。ややひっかけのような印象も否めませんが、いずれにしろあやふやな部分を今一度教科書に戻って確認し、自分の知識を確かなものにしておきましょう!

 

3)計算問題は焼き直しがほとんど! について

近年、計算問題は選択式ではなく、ほとんどが非選択式問題で出題されます。出題数は多くて2問なので、計算が苦手な人は「計算問題、捨ててもいいよね……」と後ろ向きになってしまいますが、捨てなくて大丈夫! 
なぜなら、計算問題の出題パターンは6~7パターンしかありません。つまり、過去問で出てきたものを、ちゃんと計算できるようになっていれば、得点につながるのです
112回では、午後に酸素ボンベの使用可能時間を求める問題が出題されました。同様の問題は、94回、100回、102回、107回でも出題されていました。

第112回 PM90
500Lの酸素ボンベ(14.7MPa充填)の内圧が10MPaを示している。この酸素ボンベを用いて3L/分で酸素吸入を行う。
使用可能な時間は何分か。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合は、小数点以下第1位を四捨五入すること。
答え:113分

113回対策としてやっておくべき計算問題は、酸素ボンベの残量、BMI、肥満度、体重減少率、点滴の残量、薬液の希釈などを確認しておきましょう。苦手な人は、計算問題克服ウィークをつくって、7日間徹底的に計算問題を解いてみてはいかがでしょうか? やった分だけ自信がつき、苦手意識はふき飛びますよ!

 
今回のポイントふまえた過去問を、コチラにまとめています。ぜひご利用ください。
次回は、成人看護学について説明します!