先日、新聞でこんなニュースを見かけました。


順天堂大の研究チームは、血液検査でパーキンソン病かどうかを診断する手法を開発した。チームは2年後の実用化を目指す。
----朝日新聞 2019年7月3日(水)


ということで、今回はパーキンソン病について調べてみよう!

 
用意した参考資料は・・・
○朝日新聞 2019年7月3日(水)の記事
○医学書院刊『系統看護学講座 専門分野Ⅱ 老年看護学』(第8版)P.268~270
○国試過去問題集

パーキンソン病の特徴

■中脳の黒質にある神経細胞が変化し、神経伝達物質であるドパミンが減少することでおこる進行性変性疾患。
■有病率は10万人あたり約100人。好発は中高年。65歳以上では500人に1人の割合で発病。
安静時震戦、無動・寡動、筋固縮、姿勢反射障害が特徴的な症状
ホーエン・ヤールの重症度分類で進行状況を把握することができる(下図参照)。
■薬物療法と並行して、運動療法がおこなわれる。
■薬物療法では、ドパミンを補充するレボドパ(L-ドパ)を症状に合わせて投与長期服用時の副作用として、手足や舌・口唇が不随意に動くジスキネジアがみられる
また、L-ドパを長期服用すると、効果の持続時間が短くなったり、日内変動を起こすこと(ウェアリング‐オフ現象)や、服用時間を関係なく症状が劇手に変化すること(オン-オフ現象)がみられる。
■関節拘縮や姿勢反射障害、廃用症候群の予防として、運動療法を継続することが期待される。

■ホーエン・ヤールの重症度分類

 

看護のポイント

■薬の必要性、副作用、回数・時間などの服薬管理の重要性を患者・家族に説明し、確実な服薬指導を行う。患者のアドヒアランスを高め、特に自己判断による服薬中断をしないよう、指導する
■姿勢反射障害による小刻み歩行や前方突進現象がみられる。転倒や外傷などの事故防止に努める。
■すくみ足には、等間隔にテープを貼った床を利用したり、「いちに、いちに」とリズムをとったりする歩行訓練が有効。

 

国試ではこう出る!

【第107回 PM112】
 Aさん(76歳、女性)。夫(74歳)と2人暮らし。6年前にParkinson〈パーキンソン〉病と診断された。現在、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅢ、要介護1である。トイレと浴室には手すりが設置されている。レボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。最近、足がすくむことが増えたため受診した。Aさんは主治医から「薬剤の効果を評価するために、服薬時間や生活の状況を日誌に記録しましょう。2週後にまた受診してください」と説明を受けた。
 外来看護師が日誌に記録する内容をAさんに指導することになった。  
 日誌に記録する内容で最も重要なのはどれか。
1. 食事の量 ×
2. 便の性状 ×
3. 振戦の有無 ○
4. 排尿の回数 ×

【第104回 PM61】
 Parkinson〈パーキンソン〉病の症状について正しいのはどれか。
 1. 満月様顔貌になる。 ×
 2. 腕を振らずに歩く。 ○
 3. 後ろに反り返って歩く。 ×
 4. 頭を左右に大きく振る。 ×

現在は、問診や神経所見、頭部CT・MRI検査など複数の検査を経て、確定診断をしているそう。血液検査で診断ができ、重症度も判別できる検査方法は、有益だよね!