今回頂いた質問

介護老人保健施設とは具体的にどのような施設のことですか?
他の介護保険施設との違いは何ですか?

ご質問ありがとうございます。

介護老人保健施設とは

介護老人保健施設は、介護保険法に基づき設置許可された介護保険施設です。
利用対象者の条件は「病状が安定しており、入院の必要性はないが、リハビリテーションや看護・介護を必要とする要介護者」と定められています。

他の介護保険施設との違い

1.介護老人福祉施設

介護老人福祉施設とは、老人福祉法に基づき認可された特別養護老人ホームを指します。
利用対象者の条件は「常時介護が必要で、在宅での生活が困難な要介護者」と定められています。

2.介護療養型医療施設

介護療養型医療施設とは、医療法に基づき許可された病院または診療所の療養型病床群などを指します。
利用対象者の条件は「”カテーテルを装着している”など常時医療管理が必要で、病状が安定している要介護者」と定められています。
この他にも「病院」「診療所」など、医療施設や介護施設には個々の基準が定められています。過去の看護師国家試験でも出題されていますので、この機会にしっかりとまとめておきましょう。

回答は以上になります。
では、第100回の国家試験の問題を実際に解いてみましょう。

問題

第100回 看護師国家試験 午前問題7

介護老人保健施設はどれか。

1. 医業を行い、20名以上の患者が入院できる施設
2. 医業を行い、患者が入院できるための設備が無い施設
3. 要介護者が入所し、必要な医療や日常生活の援助を受ける施設
4. 認知症の要介護者が共同生活をしながら、日常生活の援助を受ける施設

1. × 医業を行い、20名以上の患者が入院できる施設は「病院」です。
2. × 医業を行い、患者が入院できるだけの設備が無い施設は「診療所」です。
3. ○ 正しい。
4. × 認知症の要介護者が共同生活をしながら、日常生活の援助を受ける施設は「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」です。

答え…3

編集部より

看護学生の頃は「親の介護なんてまだまだ先の話」と思っている人が大半。でも、いざそのような立場になると、介護について真剣に考えたり、調べたりする機会が増えるはずです。「万が一、自宅での生活が厳しくなったら、介護の手段としてどのような選択肢があるだろうか?」というのは、要介護者を支える家族にとって切実な課題です。少し先のことかもしれませんが、自身が介護に関わるようになった時のことをイメージしてみると、介護というものをより身近に感じることができるかもしれませんね。