今回頂いた質問

ペースメーカーを装着した患者様への看護のポイントを教えてください。

ペースメーカーを装着されている方への援助はどうしたらいいのか、装着器具の管理も必要なのかなど気になっていらっしゃるのではと思います。

ペースメーカーは、心臓を動かす刺激伝道系に何らかの障害があって、心拍数が低下した場合に、電気刺激をあて、有効循環血液量を確保する目的で装着されます。そこで看護目標となるのが、

目標1.心拍出量を確保するペーシングができる
目標2.安全・確実にペーシングを行なうための自己管理ができる

自己管理できるようにするための指導も看護の大事なポイントになります。
以上のことから看護のポイントは

ペーシング状態の観察

・心電図、脈拍測定から心拍数の確認。ペースメーカーによる刺激に続いて正しい波形が出現するか、自己調律を正しく認識しているかなど心電図の波形の確認。
・動悸、めまい、息苦しさ、吃逆などの自覚症状はないかの確認。

自己管理への援助

・ペースメーカーが正常に作動しているかを確認するために脈拍観察を1日1回行なうように指導することや異常時の対応のために、ペースメーカー手帳や患者カードを携帯すること。
・むくみ、めまい、息苦しさ、吃逆などの症状が出現した時は受診を行なうように指導。
・電磁障害を避けるための説明。

定期受診の勧め

・ペースメーカーがよい状態で作動しているか、定期的なチェックが必要なため、医師の指示に従って受診の促し。

以上の看護のポイントを整理したところで、ペースメーカーに関する国家試験過去問題を解いてみましょう。

問題

第98回 看護師国家試験 午前問題54

ペースメーカー装着中の患者に禁忌なのはどれか。
1.CT
2.MRI
3.超音波検査
4.骨シンチグラフィ

1.×
2.
3.×
4.× 

MRIは強力な磁場を発生するので、ペースメーカー装着中の患者には禁忌。他のものは影響はないと考えられる。

正解は… 2

編集部より

以前、ICD(体内植込み型徐細動)を体に入れているという方と旅行をする機会がありました。その方は拡張型心筋症ということもあり、生活も限られているけど人生を楽しんでおられ、病気ということを思わせないほど元気に旅をしていらっしゃいました。ICDを植え込むことによって、こんなにも日常生活範囲を広げることができるのですね。