今回頂いた質問

血圧を測る時、マンシェットの幅が狭いと血圧が高く測定されるのはなぜですか?教えてください。

幅が狭いマンシェットでは、太いマンシェットよりも動脈を圧迫する面積が少なくなります。

そのため、狭いマンシェットを用いて動脈の血流を止めるためには、太いマンシェットを用いるときよりも多く圧を加えなくてはなりません(水銀をより高く上げることになります)。

また、同じような理由から、マンシェットの圧を抜くと太いマンシェットよりも早く血流が解放されます。

そのため、通常よりも早い段階でコロトコフ音が聞こえることになり、最高血圧が高く測定されるのです。

問題

第96回 看護師国家試験 午前問題48

血圧測定で収縮期血圧が本来の値より高く測定されるのはどれか。
1.血圧計を床頭台に置いて測る。
2.幅の狭いマンシェットを用いる。
3.巻き上げた袖が腕を圧迫している。
4.減圧を10mmHg/秒で行う。

1.× 血圧計を置く場所が水平であれば、置く場所の高さによって血圧の値が変動することはありません。
2. 正しい。
3.× 袖が腕を圧迫していると、前腕がうっ血した状態になるため、収縮期血圧は低く測定されます。
4.× 減圧は2mmHg/秒または2mmHg/拍の速さで行うのが好ましいでしょう。減圧の速度が速過ぎると誤差が生じ、血圧は低く測定されやすくなります。

正解は… 2

編集部より

血圧をはじめとするバイタルサイン測定で得られた値は、患者さんの全身状態の把握や、治療方針を決定する上で重要視されます。バイタルサイン測定は一見簡単そうなイメージがありますが、正しい測定手順を守ることを常に心がけましょう。