今回頂いた質問
気管支鏡検査を受ける患者さんを実習で受け持つことになりました。検査の前後や検査中の注意点があれば教えてください。
ご質問ありがとうございます。
1)気管支鏡検査では、ゼリー状の麻酔薬を喉の奥に含み、喉に麻酔をかける処置を行います。
これは、気管支鏡を挿入する際に生じる痛みを軽減するためです。
万が一、麻酔薬によって気分が悪くなり嘔吐した場合、誤嚥すると大変危険ですので、検査の数時間前から
飲食を控えるよう、患者さんに説明します。
(たとえば、午前中の検査の場合→朝食は絶食、午後からの検査の場合→昼食は絶食、などといったスケジュールが組まれます)
2)義歯や差し歯などがある患者さんは、必ず検査前に外すように声かけしましょう。
検査中に義歯や差し歯が外れると誤嚥や窒息の原因となり、大変危険です。
3)患者さんはマウスピースを噛んだ状態で検査を受けるため、会話はできません。
4)検査終了後2時間は、麻酔の効果が続いていることがあります。
この時に飲食をすると誤嚥の原因となるので、検査終了後2時間は絶飲食となります。
飲食を再開する際は、水をひと口飲んでムセがないことを確認してから行うように声かけしましょう。
※上記はあくまでも一般的なポイントです。
それぞれの施設によって、多少異なることもありますし、医師の指示も異なることがあります。
検査の際の注意点などは、必ず実習先および実習指導者に相談・確認しましょう。
問題
第98回 看護師国家試験 午前問題53
気管支鏡検査で正しいのはどれか。
1.検査の1時間前まで飲食できる。
2.検査中、会話はできる。
3.検査中、義歯は装着したままで良い。
4.検査後、2時間は絶飲食とする。
1.× 検査の数時間前~絶食とするのが望ましいでしょう。
2.× 検査中、会話はできません。
3.× 義歯は検査前に必ず外すようにしましょう。
4.○ 正しい。
2.× 検査中、会話はできません。
3.× 義歯は検査前に必ず外すようにしましょう。
4.○ 正しい。
正解は… 4
編集部より
検査を受ける患者さんの多くは、気管支鏡検査のイメージが湧かず、不安を感じることが多いでしょう。また、インターネットによる情報などから「苦しい」「激しく咳込む」といった恐怖心を抱いていることもあるかもしれません。さらに、検査中は言葉を発することもできません。あなたは、このような患者さんにどのようなケアができるでしょうか? 検査中の場面を頭の中でイメージしながら、ぜひ考えてみてくださいね。