今回頂いた質問

乳幼児の誤飲事故は、どのような製品を飲み込むケースが多いのですか?

ご質問ありがとうございます。

厚生労働省医薬食品局「家庭用品に係る健康被害病院モニター報告」によると、小児の誤飲事故で最も多い製品は「たばこ」だといわれています。「たばこ」の誤飲は、1979年にモニター報告が開始されて以来、例年1位を占めています。

具体的には、「テーブルに置いていたタバコを食べてしまった」「灰皿代わりに空き缶を使っていたら、子どもがジュースと間違えて飲んでしまった」などの報告があります。しかし、たばこ1本には乳児の致死量に相当するニコチンが含まれており、また、水に溶けたニコチンは胃内での吸収が早くなるといわれています。

こうしたことから、子どもの口に入ると危険なものは高い場所に置くなど、周囲の大人による注意や配慮が、乳幼児の命を救うことにつながるといえます。

なお、平成20年度の報告では、誤飲事故が多い原因製品について、「たばこ」(33.3%)、「医薬品・医薬部外品」(18%)、「玩具」(7.8%)の順で多かったという結果を公表しています。

誤飲物質によって、催吐禁忌などもあります。国家試験では、誤飲物質とそれに対する対処方法なども問われますので、一度整理しておきましょう。

回答は以上になります。
では、国家試験の問題を実際に解いてみましょう。

問題

第99回 看護師国家試験 午前問題66

最近10年の乳幼児の誤飲で最も頻度が高いのはどれか。

1.硬貨
2.玩具
3.医薬品
4.たばこ

1.×
2.×
3.×
4.
上記の通り。

正解は… 4

編集部より

むかし、たばこの誤飲があったら、「牛乳を飲ませるとよい」という対処法がありましたが、現在では、有毒成分のニコチンが吸収されやすくなるため、何も飲ませず、すぐに医療機関を受診するという対応が推奨されています。