今回頂いた質問

「国勢調査」と「国民生活基礎調査」はどのように違うのですか。

「国勢調査」は総務省が行う調査で、日本国内に住むすべての人と世帯を対象としています。国内の人口や世帯の実態を明らかにするため、統計法に基づいて5年に一度実施されます。

国勢調査からは例えば下記のようなことがわかります。
・日本の人口及び増減率の推移
・市区町村別人口増減率
・年齢3区分別人口の推移
・人口ピラミッド
・一般世帯の家族類型別割合の推移
・産業(大分類)別15歳以上就業者の割合 など

国勢調査の結果は福祉施策や生活環境整備、災害対策など、様々な施策の計画策定に利用されています。また、「労働力調査」「家計調査」「国民生活基礎調査」などの標本調査を設計する際の基礎データとして用いられたり、将来人口推計の基礎データとしても活用されるため、日本の統計体系の基盤を支える役割を担っています。

一方、「国民生活基礎調査」は厚生労働省が行う調査です。保健、医療、福祉、年金、所得等国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画及び運営に必要な基礎資料を得るとともに、各種調査の調査客体を抽出するための親標本を設定することが目的です。3年ごとに大規模な調査を実施し、中間の各年には、世帯の基本的事項及び所得の状況について、小規模で簡易な調査を実施しています。

回答は以上になります。
では、国家試験の問題を実際に解いてみましょう。

問題

第104回 看護師国家試験 午前問題46

日本の最近10年の成人を取り巻く社会状況で正しいのはどれか。

1. 生産年齢人口の占める割合の増加
2. 単独世帯の占める割合の増加
3. 非正規雇用者の比率の低下
4. 平均初婚年齢の低下

1.× 生産年齢人口(15~64歳)の割合は、1995年以降減少しつづけている。
2.○ 平成25(2013)年の国民生活基礎調査によると、「単独世帯」は全世帯数の26.5%で毎年増加している。
3.× 国民生活基礎調査によると、平成16(2004)年と平成25(2013)年において、非正規雇用者はすべての年齢階級で増加している。
4.× 人口動態統計によると、平成16年と平成25年の比較において、平均初婚年齢は、男性は29.6歳から30.9歳、女性は27.8歳から29.3歳と、男女ともに上昇している。

正解…2

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編集部より

2015年は国勢調査の実施年。今回からインターネットでの回答もできるようになりました。統計法第13条には、正確な統計を作成するため、調査票に記入して提出する義務(報告義務)が定められています。過去の国試で国勢調査からどのような出題がされたか復習しておくのもよいですね。