牛乳の消化を助ける酵素量は、白人・黒人・アジア人で異なる

むかしむかし、日本人は、

牛乳

野菜・小魚・味噌や納豆など大豆発酵物、海藻をたっぷり食べてカルシウムを摂っていました。牛乳は飲んでいませんでしたが、骨が頑丈な民族であったといわれています。でも現在では世界屈指のカルシウム摂取量、超・超・超少量民族となっています。日本古来からのカルシウム食をあまり食べなくなり、かといって乳製品でその分の栄養をうまく補っているかというと、そのあたりが中途半端なのだそうです。

戦後、アメリカでは脱脂粉乳や小麦が過剰に余っていて、その売り捌き先として敗戦国の日本が標的となった!

本来、米食だった日本人をアメリカがパン食民族に変えてしまったのである!

牛乳とパンとマーガリンメインの学校給食にアメリカの陰謀が見え隠れする!

などの日本文化塗り替え説(?)もささやかれますが、栄養豊富な牛乳は「飲んでおけば間違いない」健康の代名詞としてしっかりきっちり日本に根づいています。


けれど、牛乳が苦手な人って案外多いのではないでしょうか。

「牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする」という症状はズバリ「乳糖不耐症*」と呼ばれます。
小腸内でラクターゼ(乳糖分解酵素)という酵素が十分に作られないため、牛乳などに多く含まれる乳糖を消化することができないのです。
乳糖不耐症は、昔から乳製品を摂り続けている北欧や西ヨーロッパの人では1割強ですが、 アジア人や黒人、アメリカ先住民などは7~9割、日本人はなんと85%が該当するといわれています。もたれる、胃けいれん、げっぷ、おならも症状のひとつだとか……。


ほ乳類は、生まれた子どもがいつまでもミルクを飲んでいると、母親は次の子どもを胎内に宿すことができないので、ある程度成長すると乳糖分解酵素の活性を低下させ、お腹が痛くなってミルクを飲めなくし、離乳を迎えさせます。

お腹ゴロゴロは自然の摂理といっても過言ではありません。

むしろゴロゴロしない哺乳類のほうがびっくりで、特に日本人などは、もともと米や芋、野菜などの食品を処理できるほうの遺伝子を多く有していて、多量の小麦・牛乳・卵の処理はむしろ苦手なはずなのですが……。


牛乳が苦手でも、ヨーグルトやチーズなどの発酵食などが乳糖の多くをブドウ糖とガラクトースに分解してくれるので、乳糖不耐症の症状が出にくいのだそうです。
ここはひとつ、乳製品とうまくつきあいつつ、日本古来からのカルシウム食を復活させ、骨太の日本人を再び目指してみてはいかがでしょうか。

カルシウム

*乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)についての説明が動画にてご覧いただけます。