体内に潜伏した毒が本来の体質を変えてしまう。。。

スズメバチの恐ろしさ、生命力はゾンビなみ。

スズメバチ

体当たりした獲物に6本脚でがっつりとしがみつき、毒ある限り何度でも刺し、腹部のみの死体となっても刺すことをやめない……。
さらには、刺した際に警報フェロモンの働きを持つ毒液(興奮物質)を相手の体や衣服に向けてまき散らし、その匂いを嗅ぎつけて集まってきた仲間とともに、再度体制を立て直して攻撃してくる……。


時に殺人をも起こしてしまうスズメバチですが、刺傷防止のため
「黒い服は着ないように」
といった言葉をよく耳にします。

スズメバチが多く生息し、食べる文化をもつアジアには黒髪の人種が多い。日本では信州、中国では雲南地方などでスズメバチの幼虫(ハチの子)を食用としています。

すなわち、人間の一番の弱点は頭と目ですので、スズメバチが攻撃するのも黒。アジア人の黒髪と黒目は狙われやすいのです。

また、スズメバチの幼虫やサナギが大好物であるクマの全身が黒いことから、黒を狙うとも考えられています。

ということで、ハイキングなどでスズメバチの攻撃を防ぐためには帽子(なるべく白)が有効です。カメラや長靴など黒くて動くもの、また彼らの警報フェロモンと成分がかぶるので香水も禁止です。。。

襲われる人


スズメバチに刺されて、1度目は強い痛み・かゆみ・発赤・腫れといった局所症状のみで済む人もいます。

だけど、2度目が恐ろしい。

1度目に刺された時に体内に抗原(ハチ毒・異物・花粉症の場合はスギ花粉など)が入って抗体を獲得すると「感作」が成立します。

つまり、次にもう1度、ハチに刺されたら(抗原が侵入したら)、ヒスタミン・セロトニン・ハチ毒キニンなどの有害な化学伝達物質が体内に大量に放出され、Ⅰ型アレルギー*のきわめて強い反応(アナフィラキシーショック)を引き起こす準備が整ってしまうのです! 呼吸困難や意識障害を引き起こし、死に至ることがあります。

せっかく、体を守るためにできた抗体が命取りになりかねない。花粉症の原因などをお医者さんで調べる時、ハチアレルギーかどうかも調べてみたほうがよさそうですね。

*Ⅰ型アレルギーについての説明が動画にてご覧いただけます。