その秘密は、「ヒュッ、ヒュッ」にあった!
コレができないと海女さんにはなれません
NHK連続テレビ小説「あまちゃん」ブームが到来し、ドラマのロケ地となった岩手県久慈市では海女さんの素潜り漁実演が行われているんだそうです。
素潜りって、ものすご~く息苦しそうなイメージがありますが、ベテランの海女さんだと、5分以上も潜り続けられるんだとか。
とても素人には真似できないですよね。
いや、真似したらかえって危険かも(失神しちゃうよね~)。
海女さんって、どうしてあんなに長時間潜れるんでしょうか?
その秘密は、海女さんならではの呼吸法にあった!
海女さんの呼吸法は、かな~り独特。
海から上がると、鼻から息を吸い、「ヒュッ、ヒュッ」と音を立てながら息を吐き出します。
気管支の内圧を高めるのです。
すると、その反動で、息を吸った時により多くの空気を肺に取りこめられるのだとか。
海女さんのこのような呼吸法は、
まるで笛を吹いているようなイメージであることから「磯笛」とも呼ばれています。
※海辺で聞く磯笛は哀愁が漂うことから「磯嘆き」と呼ばれることも。
スキューバで潜ればいいのに……!?
海女さんの素潜りは、2000年以上も続く伝統的な漁法といわれています。
とはいっても、スキューバダイビングなど、長時間の潜水が可能になったこの時代に素潜りって、ちょっと原始的じゃありませんかね?
息止めなんて苦しい思いしなくても、今はスキューバという便利なものがあるんだからどんどん使えばいいのに~!
……と言いたいところですが、実はそういうわけにはいかないんです。
というのも、海女さんが素潜り漁を続けているのには、以下のような理由があるのです。
1)資源の成長と採取のバランスを保つため
スキューバだと、長時間の潜水が可能になり、一度に大量の資源をGETできちゃいます。
しかしながら、大量の資源を獲ることは、資源枯渇につながる危険性も。
その点、素潜り漁では海の資源を獲り過ぎることがなく、資源の成長と採取のバランスが保たれるというワケです。
2)スキューバでの資源採取は法律によって禁止されているため
地域により、漁期、漁法、漁具、漁区、採取サイズなど、さまざまな制限を設けています
(素潜りは法的に許可されている漁法です!)。
また、アワビ・サザエ・ウニなどの資源は、
漁業権(資源を採取する権利)を保持していないと採取できません
(海女さんは漁業権保持者なので、OK!)。
「あまちゃん」ブームに乗っかって、素人が海女さんのように資源を採取すると、密漁として逮捕されるので要注意!
くれぐれも「じぇじぇじぇ」とならないようにね~(笑)!
(文:真ノ宮ゆな/イラスト:matya)