看護学生には看護学生ならではの悩みがあるんです。勉強や実習、国試…考えるだけで不安がいっぱい。
でもなんとかこの状況を脱したい!つまずきがちなテーマを一緒に考えていきましょう。


暗記することも多くて、テスト前は本当につらい

看護学生未来さん

看護学生 未来さん
看護師になりたいという夢をかなえるために、今年4月に専門学校へ入学した18歳。

看護学生は忙しいと聞いていたけれど、本当に忙しい。
講義の進みも一回で一単元進んでしまうこともあるし、話を聞くので精一杯。
実習中の記録や調べ物での睡眠不足、レポートやグループワークで図書館に居残る日々。そして普段の講義も暗記することも多くて、テスト前は本当につらいんです…。

これで解決!

半泣きあらため美咲さん

半泣き あらため 美咲さん
今年3年目を迎える看護師。学生時代を懐かしく思い出しながら、
相談に来る学生にアドバイスを送る。

看護学生の授業には大きく分けて
講義:先生が前に立って話をするのがメイン と
実習:学内や学外で学生が実際に実践するもの に分けられます。

実際に学校が始まり講義を受けて、高校とは大きく違うことに驚いた人もいるかもしれません。黒板にほとんど字を書かない先生、教科書をどんどん読んですすめる先生、パワーポイントなど映像をたくさん使う先生。本当に先生によって講義の進め方は様々。座っていれば時間は過ぎる場合もありますが、甘く考えていると記憶は残らず、テスト勉強の際に分からない現実が残るだけ。高校時代と比べて、テストの範囲は広く、暗記すべき事項もとても多くなります。

まず、きちんとノートをとること。「ノートを取る=黒板の字を写す」ではありません。その日のテーマを後で見ても理解できるように書き取ることが目標です。
ノートの記入例

1)余白は多めに

看護や医学に関する講義は、図表もたくさん出てきます。それらを貼り付けたり、書き込んだり場合もあるので、余白は多めにとりましょう。

2)カラフルにしすぎない

これは講義に集中するための方法でもあります。あまり几帳面に何色ものペンをつかうとまとめることが目的化しがちです。

3)脱線話を本線につなげよう

また講義では実際の現場での話など教科書から一見脱線しているような話(※)もよく聞くと思います。そういう話が始まると、身を乗り出す学生もたくさんいますが、それを聞くだけなのはもったいない。それだけ興味がある話題は記憶に残りやすいということ。ノートのはじに吹き出しをつけて、感情と紐付けして暗記しやすく関連付けてしまいましょう。
※例…実習で出会った困った患者さんのエピソード。もしかするとそこから、アセスメントの仕方や疾患の具体例など、感情と紐付けられる話が聞けるかもしれません。

4)接続語に注意

講義には必ずその日理解してほしいテーマがあり、そのテーマにそって講義が進みます。「つまり」(※)「要するに」なんていう言葉が出てきたらその後に続くのはテーマのまとめに関連することや重要な事項なので(テストや国家試験にも出やすい)きちんと理解することが必要です。
※例…パーセンタイル値は全体を100として小さい方から数えて何番目になるのかを示す数値で、50パーセンタイルが中央値である。つまり(この後が大事!)、「30パーセンタイルの人」は「100人のうち小さいほうから数えて30番目」ということになります。

5)最後はやっぱり復習

エビングハウスの忘却曲線(下記グラフ)を見たことがありますか? 私達人間は忘れる生き物だと実感できると思います。この曲線に逆らうためには方法は一つ。何回も覚えようとすること。余白を多めにと一番はじめにかいたのも、あとで教科書を最低でも一度読み返して先生が強調した部分を書き写すなど手と目を使うのが結局、暗記への近道だからです。パワーポイントの講義などを聞いているとありがちなのですが、「ふむふむ」とわかっているつもりで、実は理解は出来ていない。ということがあります。
グラフ

また解剖生理などは、図そのものが頭に入っていると、その後の疾患別看護で理解が容易になります。簡単なイラストでもいいので自分で一度かいてみてください。
解剖生理図

関連リンク:人体の基礎DVD 第1巻 心臓と血液
(youtubeのサンプル動画ですが基礎から丁寧に解説しているので必見!)

講義のテストは、国家試験の過去問を含んだ選択式、記述式で意見を求められるものなど形式も様々です。講義のテストは、落とすためのテストではなく一定の水準に達しているか理解度を確認するテスト。講義の中にもヒントはたくさんかくれています。

(テキスト:sakura nurse イラスト:中村まーぶる)