看護学生には看護学生ならではの悩みがあるんです。勉強や実習、国試…考えるだけで不安がいっぱい。
でもなんとかこの状況を脱したい!つまずきがちなテーマを一緒に考えていきましょう。


臨地実習が始まってからは、うまくいかないことばかりが続いています

看護学生Wさん

看護学生 Wさん
看護師になりたいという夢をかなえるために実習で奮闘の毎日。

わたしは思うところがあって、数年前に社会人から看護師への転身を決意しました。はじめは看護学生の生活に不安を感じていたのですが、授業や学内での実習では若い人たちにそれほど遅れは感じず、むしろテストでは上位だったのでほっとしていました。ところが臨地実習が始まってからは、うまくいかないことばかりが続いています。特に指導者さんとどうもうまくいかなくて、なんとなく目をつけられて特に厳しく指導されているような気がします。

これで解決!

半泣きあらため美咲さん

半泣き あらため 美咲さん
今年3年目を迎える看護師。学生時代を懐かしく思い出しながら、
相談に来る学生にアドバイスを送る。

社会人経験をしてから看護学校や大学に進学する人も増えています。社会の荒波を経験しているということは看護活動にとても有利だと思います。わたしは医療現場の世界しか知らないので、社会人時代の同僚の話を聞くのはすごく楽しいです。

いちばん深い悩みは人間関係!

わたしが看護学生の時にも同級生に10歳ほど年上の方がいらっしゃいました。久しぶりの勉強、暗記すべきたくさんの用語、テストが続く日々が大変だとぼやきながらも、充実して楽しい様子が伝わってきました。Wさんもそんな日々を過ごしていらっしゃったのではないでしょうか。
実は、社会人経験者の看護学生が休学や退学にまで追い込まれるような深い悩みというのは、人間関係によるものが多いんですね。特にわたしが相談を受けるのは、学校の先生や臨地実習指導者との関係、つまり「教えてくれる人」との関係に悩む人が多いようです。

経験豊富は財産。けれど、学生としては初心者。

ひとつ言えることは、「今まで生きてきた自分の人生、看護師になると決めた決断には誇りを持って。でも看護学生としては皆同じスタートラインにたっていることを忘れずに」です。

以前学校の先生をしていた方が、看護学校に入学されたことがありました。
現役生の言葉の乱れなどが気になって、つい、注意したことで(もしかしたら友達としての注意だったのかもしれませんが)、同級生の間で浮いてしまったと悩んでいました。

また介護職経験の友人は、体位変換など一部の看護技術に関してきちんと出来ていたのですが、看護上の視点がなかなか得られず、看護過程がうまく展開できず苦しんでいました。

ゼロになれない難しさ・・・

社会人経験者の学生はなぜ、指導者さんや同級生たちとうまくいかないのでしょう。
その理由は、ゼロになれない難しさなのではないかと思います。
教える立場になってみましょう。どんな人に教えたいと思いますか? 明るく元気で、素直に話を聞くことができる人ではないでしょうか。きっと、生きてきた人生分の経験、そこからのプライドはあると思います。
ゼロにはなれませんし、ゼロになる必要もありません。ただ、ゼロになろうとする姿勢が大切なのだと思います。

ちなみに先ほど例にあげた学校の先生だった人は、その後院内の教育委員として頑張っているし、介護職だった人は、転職して有料老人ホームの施設で役職についています。
看護職になる前の経験もいつかきっと生かされます。
時にもどかしい思いもするかもしれませんが、自分の決断を信じて、今は学ぶことに謙虚に真摯になりましょう!

※あねごの活躍は、
「半泣きナース、あねごを頼る。」
「ハンサム看護師、あねごに学ぶ。」
「あねごの検査データまるわかり。」
などを見てね!

(テキスト:sakura nurse イラスト:中村まーぶる)