今回頂いた質問

創の治療に用いるドレッシング材とはどのようなものですか?
また、ドレッシング材を使用する際に注意すべきことはありますか?
教えてください。

ご質問ありがとうございます。

創の治療で用いるドレッシング材とは、創を覆うことで湿潤環境を作り、創の回復を促進する「創傷被膜材」を指します。
ドレッシング材の内側が、創からの浸出液を吸収してゲル化することにより、創が湿った状態を作り出すしくみです。
これにより、肉芽や上皮の形成を促すものといわれています。

ただし、壊死組織がある場合は、壊死組織を除去した後にドレッシング材を使用するのが望ましいです。
また、感染の兆候がある場合は、感染への治療や処置が優先されます。

では、実際の国家試験の問題を実際に解いてみましょう。

問題

第99回 看護師国家試験 午前問題25

ドレッシング材で密閉してよい創の状態はどれか。

1. 壊死組織の存在
2. 鮮紅色の肉芽の形成
3. 創周囲の発赤・熱感
4. カ大量の膿性分泌物の付着

1.× 壊死組織を除去してから使用するのが望ましい。
2.○ 正しい。
3.× 感染兆候があるので、感染の治療や処置を優先する。
4.× 洗浄などにより膿を十分に除去してから使用するのが望ましい。

正解は… 2

編集部より

たとえば、ひと昔前まで「傷はガーゼを当てたり乾燥させたりして治すのが良い」とされてきましたが、現在では様々な研究によって「傷はむしろ湿潤環境で覆うことで回復が早くなり、傷跡がきれいに修復される」ということが明らかになりました。ハイドロコロイドドレッシング材を用いた絆創膏が有名ですね。