今回頂いた質問

拒絶反応とGVHDの違いがよく分かりません。

ご質問ありがとうございます。
拒絶反応と移植片対宿主病(GVHD:graft versus host disease)について、混乱してしまうことがあるかもしれません。 この機会にもう一度振り返ってみましょう。

まず、GVHDとは白血病などで骨髄移植などを受けた患者さんに起こるものです。
ドナーから提供された移植片が、レシピエントの身体や臓器そのものを”敵”とみなして攻撃します。この免疫反応をGVHDといいます。

次に、ドナーから移植された臓器を、レシピエントの身体が”敵”とみなして攻撃する免疫反応を拒絶反応といいます。
ですから、敵と味方の立場が逆になりますね。このポイントを押さえてしまえばすっきり理解できるのではないでしょうか?

それでは最後に、練習問題を解いてみましょう。

問題

第98回 看護師国家試験 午前問題59

同種骨髄移植で正しいのはどれか。

1.提供者とのABO式血液型の一致が条件である。
2.手術室において全身麻酔下で移植される。
3.免疫抑制薬を用いる。
4.骨髄生着後は感染の危険性がなくなる。

1.× ABO式血液型が必ずしも一致しなくても移植は可能である。同種骨髄移植とは、HLA(ヒト白血球抗原)が合致したドナーからの移植のことである。
2.× 無菌室で骨髄液を点滴する。
3. 移植片対宿主病(GHVD)を予防するため、免疫抑制剤を投与する。
4.× 感染の危険は移植後も存在する。

正解は… 3

編集部より

言葉が少し変わっただけで、反対の意味になってしまうことって医学用語の中には多くあると思います。頭の中が混乱してしまうかもしれませんが、そんな時はそれぞれ忘れてはいけないキーワードを整理してみましょう。