今回頂いた質問

ファロー四徴症で、どうしてチアノーゼが出現するのかがよくわかりません。

ファロー四徴症でどうしてチアノーゼが出現するのかについて、チアノーゼがなぜおこるのかという所から考えていきましょう。

チアノーゼとは、血液中の還元ヘモグロビンが5g/d?以上に増加し、皮膚・粘膜が紫色なる状態です。低酸素血症から生じる中心性チアノーゼと末梢血管床の血流の停滞から生じる末梢性チアノーゼ、原因の違いから2つの分類があります。

原因出現する部位
中心性
チアノーゼ
低酸素血症
心臓右左短絡、肺高血圧、肺疾患
ファロー四徴症、大血管転位、肺気腫、気管支喘息、肺炎など口唇、耳、爪床
末梢性
チアノーゼ
末梢血管床の
血流の停滞
寒冷、神経緊張、心拍出量の低下、血管閉塞、など末梢性循環不全を起こした部位

ご質問いただいたファロー四徴症は、大動脈騎乗、肺動脈狭窄、心室中隔欠損、右心肥大の四徴候を持つ先天性の心奇形です。心臓の右左短絡、肺高血があるため低酸素血症になり中心性チアノーゼが出現します。

ここまで整理した上で、先天性心疾患とチアノーゼに関する過去問題を解いてみましょう。

問題

第97回 看護師国家試験 午前問題128

出生時体重3,050gの正期産児。
新生児期に最もチアノーゼを生じやすい先天性心疾患はどれか。

1.卵円孔開存症
2.心房中隔欠損症
3.心室中隔欠損症
4.ファロー四徴症

1.×
2.×
3.×
4.

生下時にすでに循環器系の構造および機能の障害存在する先天性心疾患は、心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、動脈管開存症、肺動脈狭窄症、大動脈縮窄症、大動脈狭窄症、ファロー四徴症、完全大血管転移、などがあります。 ファロー四徴症は、肺動脈狭窄、高位心室中隔欠損,大動脈の右方転位および右心室肥大の4病変を伴うため、チアノーゼが最も生じやすい先天性心疾患です。 他の先天性心疾患では、中隔の欠損や血管の狭窄状況などによりチアノーゼの出現は個人差があり、疾患によっては、まったく出現しない場合もあります。

正解は… 4

編集部より

小児科に勤務していた頃ファロー四徴症の子がいて、泣くと顔や手が真っ黒になる!!ので、泣かないように勤務する看護師が交代でおんぶしていました。耳もとで、おもちゃをガラガラされたり、髪の毛を引っ張られたり、大変ではありましたが、背中に背負って過ごすと、我が子のような愛情が沸きますね。勤務の合間で見る子どもの笑顔は、なによりの癒しでありました。子どもって、本当に不思議な魅力がありますね。