あったかくて、ついつい寝ちゃうんです

しかし! 身体には様々な影響が……!?

コタツに入っていると、ポカポカあったかくて、ついつい寝ちゃうんですよね。

冬の実家。
コタツに入りながらみかんを食べていると(時にはお酒を飲みながら)……。
わたし 「……(いびきをかいて眠っている)」
母 「んもう~コタツで寝ないの! 風邪ひくよ、風邪!(焦)」
わたし 「いいじゃーん、あったかくて気持ちいいんだからさー」(ちびまるこ風に)
母 「この、おバカっ!(怒)」

とまぁ、母とは毎年このようなやりとりを
(懲りずに)続けてます、ハイ(恥)。

それにしても、コタツで寝るとなぜ風邪を引くのか、
みなさんはご存じでしたか?

こたつでぬくぬく


まずは、人間の体温調節について復習……

人間の身体は、常に体温を一定に保つよう、体温調節機能が働いています(ホメオスタシスやぞ~)。

体温調節機能があるのは脳のどの部位でしたっけ?
間脳の視床下部でしたね!

通常、私たちの体温は常に37℃前後(体内酵素が活性化する温度)に保たれており、

【体温が下がると……】

 ●血管の収縮によって血流を減少させ、体内の熱が外に逃げないようにする
 ●骨格筋の収縮によってふるえを起こし、熱を産生する
などによって体温を上げようとし、

【逆に体温が上がると……】

 ●血管の弛緩によって血流を促し、体内の熱を外に逃がす
 ●汗腺の活発化によって汗を流し、体内の熱を外に逃がす
 ●骨格筋の弛緩によって、熱の産生を抑える
などによって体温を下げようとします。
これを恒常性(ホメオスタシス)っていうんでしたよね。
復習終わり。

上半身と下半身のギャップにビックリ!?

さて、コタツに長時間入っていると、上半身はCOOLなのに、下半身はHOT!という体温のギャップが発生!
脳も思わず「どっちの体温が正しいねん!」と大混乱。
ホメオスタシスもなにもあったもんじゃありません。
結果、体温調節のコントロールがうまくできず、風邪をひきやすくなるといわれています。
脳はだまされやすいんです。

ちなみにですが、体温調節に限らず、脳は環境の変化に対応しきれず、あんがい簡単に大混乱を招いてしまうことがあります。
たとえば、人間は目から見える景色や内耳にある前庭(身体のバランスを保つ器官)など、身体のあらゆる部位からの情報が脳に伝わり、脳はそれを総合的に感知して今いる場所や姿勢などの位置情報を正しく判断しています。
ところが、グルグルバット(野球のバットの柄におでこをつけて回転する)のように意図的に身体を回転させると、脳は自分の位置情報を正しく判断できず、大混乱を起こし、その結果めまいが起こるのです。

脳ってかしこいんだかかしこくないんだか……。

「コタツでウトウト」は干物状態!

もうひとつ。コタツで寝ると、下半身が常に体温よりも高い温度で温められている状態になります。
半身浴しているのと同じ感じですかね。
したがって、全身の血流が促され、大量の汗をかきやすくなる一方、眠っていて水分補給ができない状態になるので、身体は脱水症状を起こし、喉の乾燥や脱水による疲労感など風邪をひきやすい環境が整ってしまうのだとか。
まさに干物状態ですね……。

干物


そもそも、コタツを使用するのは冬の季節であり、一年の中でもっとも風邪をひきやすい時期。
国試本番を間近に控えた大事な時期でもありますね。
夜遅くまで起きて受験勉強に励むみなさん!
体調管理にはくれぐれも気をつけましょう♪

(文:真ノ宮ゆな/イラスト:matya)