唇の色は○○の色

ベロベロ舐めると妖怪がやってくるかも……!?

先日、洗面所で口紅を塗っていたら、息子(5歳)にこんなことを言われました。

息子「ねぇ、ママ、それなーに?」
わたし「あぁ、これ? 口紅だよ」
息子「口紅を塗るとどうなるの?」
わたし「唇がキレイに赤くなるんだよ」
息子「唇は赤いのに、もっと赤くするの?」
わたし「……う、うん……」

そう言われてみれば、人間の唇って、口紅なんて塗らなくても、もともと赤い色をしていますよね。
そもそも、人間の唇はなぜ赤いんでしょう?
えーなんで? どうして? みなさんはご存じでしたか?

リップ


人間の唇はなぜ赤いのか?

もともと、人間の唇は口唇粘膜の一部がめくれあがってできた部位。
特に、唇の粘膜は、角層(表皮の一部)がすごく薄いのです。

角層は、表皮の細胞がレンガ状に積み重なった層で、外からの光を反射させて皮膚を守る働きがあります。
角層が薄いと、光が透過しやすく、真皮の下にある血管(血液)の色を反映しやすいのです。
つまり、唇の色は血管(血液)の色ということ!

ちなみに、プールでしばらく泳いでいると唇が紫色になるのは、血液中の酸素飽和度が低下し、酸素と結びついていないヘモグロビン(還元ヘモグロビン)が増えるから。
酸化ヘモグロビンは鮮紅色ですが、還元ヘモグロビンは暗い赤紫色をしているため、唇が紫色に見えるのです!

余談ですが……、唇が赤い動物というのは、なんと「人間」だけ
その理由としては、「言葉の発達のため(多様な発音を可能にする)」「性的アピールのため(唇は女性器に似ている?)」などなど諸説ありますが、明確な根拠はありません。

唇が荒れやすい理由とは!?

唇には「皮脂膜」がありません!
皮脂膜というのは、毛穴の奥にある皮脂腺から分泌された脂肪分と汗が混じり合い、クリーム状に広がっている膜のことです。
皮膚のほとんどには皮脂膜が存在するんですけどね~。

唇には毛穴がなく、汗腺もほとんど存在しないので、皮脂腺も皮脂膜もありません
そのため、乾燥に弱く、ひび割れや荒れを起こしやすいといわれています。

しかし、だからといって舐めるのは絶対にNG
「口唇の乾燥」に「ザラザラした舌で繰り返し舐める物理的刺激」が加わることで、かえって症状が悪化してしまう恐れがあります。
このような症状を、皮膚科では「落屑性口唇炎(なめまわし皮膚炎)」というそうです。
「なめまわし」って、なんか妖怪みたいな名前ですよね。どこかに実在しそう(笑)!

「唇の乾燥が気になるから」といってベロベロ舐め続けると、妖怪「なめまわし」がやってくるかも?!
なので、良い子は絶対にマネしないでね(笑)!

妖怪なめまわし

(文:真ノ宮ゆな/イラスト:matya)