あなたは右利き? 左利き?
左利きでも看護師にはなれますが……
バリバリ右利きの私には、彼女の手技が
どうにも危なっかしく見えてしまうのですが、
彼女いわく「大丈夫! わたし、絶対失敗しないので!」だって!
そんな彼女も、今では10年以上のキャリアをもつ大ベテラン。
外来での勤務経験が長かった彼女は、
今や狙った血管は逃さない”血管の魔術師”の異名をもつ採血のプロでもあります。
とはいえ、彼女のように左手を利き手として使いこなせる人はごく少数で、人間の約90%は右利きだといわれています。
ではなぜ、人間はなぜ右利きの人が多いのでしょうか……?
なぜ右利きの人が多いのか?
その理由としては……
【その1】 優位脳説
右脳と左脳、どちらが身体の動きをコントロールしているかによる、という説。
【その2】 攻撃・防御説
人間の心臓は左側にある。そのため、相手を攻撃する際には右手に剣を持ち、左手に(自分の心臓を守るために)盾を持つ、という説。
【その3】 環境説
世の中の道具はほとんどが右利き用に作られている。そのため、人間はおのずと右手を使うようになり結果的に右利きの人が多い、という説。
【その4】 遺伝説
両親や祖父母から受け継ぐ遺伝子の影響、という説。
などなど、様々な説があるのですが、最も有力なのは、【その1】の優位脳説です。
というわけで、毎度おなじみの解剖生理コーナー、は~じま~るよ~!
苦手な人も必見だよ♪
脳と運動の深イイ関係♪
脳には、右脳と左脳がありますよね。
そして、私たちが物を見たり、身体を動かしたりする時には、動かす側の反対側の脳が指令を出しています。
たとえば、右脳から出た指令は延髄で交差し、左半身の筋肉に運動を起こします。
同じように、左脳から出た指令は延髄を交差し、右半身の筋肉に運動を起こします。
これは解剖生理の基礎知識。看護学生なら当然知ってます……よ……ね?(焦)
このことから、右利きの人は左脳が優位に働き、左効きの人は右脳が優位に働いている、という説が有力視されているんだとか。
そもそも、私たち人間は進化の過程で「言葉を話す」能力が発達し、言葉によるコミュニケーションによって様々な危険から身を守ったり、より多くの食物を確保したり、協力し合いながら作業を行ったりしてきました。
つまり、「言語中枢がある左脳が優位」=「右利き」の人の方が人間として生存し続ける上で有利だったと考えられているようです。
右利きの人が多い理由は未だに決定的ではありませんが”人間の約90%が右利き“というのは紛れもない事実。
人間の身体って、とっても不思議で、とっても奥深いものですね~
ちなみに、看護技術のテキストは右利きを前提に書かれていますが、右利きであれ、左利きであれ、基礎知識や根拠を正しく理解し、安全な手技で行うことが大切だっつーこと!
(文:真ノ宮ゆな/イラスト:matya)