キズを治す成分は自然に集まってくる!

近頃、絆創膏の役割が変わってきましたね。

カットバン

ひざこぞうや手足の切り傷・すり傷をばい菌から「保護する」といった役割から、積極的に「傷を治す」ということが、家庭用の絆創膏でもできるようになってきました。水に強く、頻繁にかえる必要がなく、ある程度の時間傷口をおおっておくことが、創傷を速やかに治癒させるひみつのようです。


元来、医療機関での創傷の管理には、

創傷面を乾燥させる
湿潤環境を維持する
細菌感染の防止
浸出液への対応

などがあり、その目的によって治療方法は様々です。
そんななか★湿潤環境維持★細菌感染予防を目的として、閉鎖式ドレッシング法が用いられ、その際、ハイドロコロイドドレッシング材が用いられます。創傷面と接する層に吸水性があり、滲出液と反応してゲル状となり、湿潤環境を維持するのにむいており、褥瘡管理にも使われていますよね。


救急箱

このハイドロコロイド材が一般向けの絆創膏に使われるようになったというわけで、やや値段が高めなのが玉にキズと言われつつ、わんぱく小僧育児中である世のお母さんたちにたいへん喜ばれているようです。ハイドロコロイドが吸い寄せる滲出液の中には、人体の中で止血にかかせない「血小板*」などの血液成分が含まれており、一次止血に重要な役割を果たします。

*血小板についての説明が動画にてご覧いただけます。


使ったことがある方はご存知でしょうが、貼った時は透明なのに、一晩くらいたつと傷口のあたりがぷっくりと白く膨らんできます。ハイドロコロイド素材が体液を吸収し、体液中にある創傷治癒成分がゲル状になって傷口の上にとどまり、回復を早めるそうです。自分の体から出てきた治癒成分だと思うと、膨らんだゲルに生命の神秘すら感じてしまいます。。。

傷が早く回復して、傷痕も残りにくい、その上、「人体のひみつ」を目のあたりにできるなんて、技術の進歩って面白いですね。