今年度の国試対策は、科目ごとの攻略のポイントを伝えしつつ、前回第115回で出題された問題の中から、「これは絶対正解しておきたい」と思う問題を紹介していきたいと思います。
 


「疾病の成り立ちと回復の促進」は、成人・老年・小児・母性など、多くの看護学の土台となる科目です。病気の原因や病態を理解していると、症状や治療、看護まで結び付けて考えられるようになります。

ここ数年の国試では、画像診断などの出題はなく、知識を問う問題が中心です。頻出ではない疾患を問う問題と、頻出疾患だけれども難易度が高かったり、アレンジされていたり、という状態に二極化している印象があります。

疾病の成り立ちと回復の促進の攻略ポイント

1)頻出疾患だけで安心しない! 過去に出題された疾患は、マイナーでも見直そう!
2)そのためにも、出題基準をくまなくチェック!

1)頻出疾患だけで安心しない! 過去に出題された疾患は、マイナーでも見直そう! について

マイナー疾患だと、どうしても「そんな問題は無視。ここで得点できなくても、他でカバーできる」と思う気持ちになりますよね。とてもよくわかるのですが……。

国家試験240問のうち4割近くは、過去問のアレンジです。つまり、過去に出たマイナー疾患が、再度出題される可能性があるからです!!また、×選択肢だった疾患が、○選択肢になって出題されるケースもあります。
そういった時の対策として、前回説明したように、過去問に挑戦した際は、正解を覚えて終わりではなく、×選択肢についても検証していく必要があるのです。

ちなみに前回の第115回国試の「疾病の成り立ちと回復の促進」では、以下のような問題が出題されています。

AM29 肺血栓塞栓症
AM77 腰部脊柱管狭窄症
AM78 子宮頸癌
AM84 ダニ媒介の感染症
PM29 EBウイルス
PM30 単純ヘルペスウイルス
PM80 急性腎不全
PM82 下肢静脈瘤
PM83 痔瘻

こう羅列すると知っている疾患名のほうが多いと思いますが、実際の問題や選択肢を見てみたら「え?」という問題もありました。そういった問題からは、マイナー疾患だけど、類似疾患との鑑別を含め、深い理解を求められているのかな、とその出題意図を感じました。

 

2)そのためにも、出題基準をくまなくチェック! について

上記のような問題に対処するためには、出題基準をくまなくチェックしておくことが重要です。
全ての学生さんに勧めるわけではないですが、模試でA・B判定(基礎が固まっている状態)の学生は、こういった学習をオススメします。
一方で、まだまだA・B判定に届かない場合は、まずは過去問をやって、周辺知識まで広げておいてほしいと思います。

 
では、今回のまとめとして、【絶対得点しておきたい115回看護師国試問題】として「疾病の成り立ちと回復の促進」の問題を見ておきましょう。

第115回 PM80 
急性腎不全の症状について正しいのはどれか。
 1.関節痛
 2.頻呼吸
 3.食欲増進
 4.視力低下
 5.足のムズムズ
正解/2

「急性腎不全の症状」と言われてすぐに思い出すのは、
 ・尿量の減少、または無尿
 ・浮腫
 ・倦怠感 など
ではないでしょうか。
が、これらは選択肢内には存在しない……ということで、もう少し「急性腎不全」について理解を深めていきましょう。

急性腎不全になると、腎臓の濾過機能が低下し、体内に余分な水分・塩分が溜まります。
そうなると、肺の毛細血管から余分な水分が肺胞へ漏れ出て「肺水腫」になる。
肺水腫になると、酸素の取り込みが阻害されることで、呼吸が苦しくなる=頻呼吸、となるわけです。
また、腎機能が低下していることにより、本来排出される酸が体内に蓄積し、血液が酸性に傾きます(=アシドーシス)。
過剰な酸を二酸化炭素として肺の換気量を増やし、その結果、頻呼吸になります。

ということで、「疾病の成り立ちと回復の促進」の学習に必要なのは、【急性腎不全=無尿】というような単純な暗記ではなく、その疾患になった結果、どんな症状が出るのか、対象臓器やほかの臓器にはどのような影響があるのか、その診断、治療というところまで理解を深めておくことです。

他の選択肢についても、検討してみましょう。

1.関節痛 × 急性腎不全との関連性はない。関節リウマチ、痛風、膠原病などでみられる。
3.食欲増進 × 尿毒症に至ると食欲低下、悪心、嘔吐がみられることがある。リンパは細胞内液である。
4.視力低下 × 急性腎不全との関連性はない。白内障、緑内障、網膜剥離などでみられる。
5.足のムズムズ × 腎不全でみられる症状のひとつだが、急性腎不全としては頻呼吸のほうが重要。

過去問に挑戦した後は、×選択肢についても、検証していきましょう。
これが周辺知識の学習につながっていき、頻出ではない疾患が出題されたときに役立つことがあります。

 
「疾病の成り立ちと回復の促進」は、病気を丸暗記する科目ではありません。
「なぜその症状が現れるのか」「その結果、体の中で何が起きているのか」を考えながら学習すると、他の科目の理解も深まり、応用問題にも対応できるようになりますよ。

次回は、健康支援と社会保障制度について説明します!


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