今年度の国試対策は、科目ごとの攻略のポイントをお伝えしつつ、前回第115回で出題された問題の中から、「これは絶対正解しておきたい」と思う問題を紹介していきたいと思います。
「健康支援と社会保障制度」は、必修問題とテーマも重複し、覚えることが多く、「何から手をつければいいかわからない」と感じやすい科目です。また、超定番テーマがある一方で、数年に一度の出題、あるいは法改正後の初出題、という年もあるので、出題基準のチェックも欠かせません。
健康支援と社会保障制度の攻略ポイント
2)過去の出題がなくても、出題基準にあるテーマは確認しておこう。
1)模擬試験を活用して、頻出問題をカバーしよう! について
定番の医療保険、介護保険、保健師助産師看護師法、医療法などは、毎年出題されるからこそ、さまざまな角度から問われます。
暗記するべきことが多いので、直前にまとめて暗記するよりは、これまでに受験した模擬試験の「健康支援と社会保障制度」の問題を、正解・不正解に限らず解答解説書を使って復習していくことが、知識の定着にもつながります。
問題で問われた内容のみならず、関連知識も含めて理解することもできるでしょう。
国試が近づいた1月くらいになったら、まとめ本などを使いつつ、要点を復習します。
その際には、頻出の法律については、原文にあたっておくことを忘れずに。
原文のそのままの文章や虫食い問題が出題されることもあるためです。各法律の原文は、社保の教科書の巻末付録やネットでも公開されています。
2)過去の出題がなくても、出題基準にあるテーマは確認しておこう。 について
第115回では、民生委員に関する問題が出題されました。
民生委員は、過去に×選択肢として登場することはありましたが、第115回ではテーマとして問われました。
このように、過去問で直接問われたことがないテーマでも、出題基準に含まれていれば出題される可能性があります。
もちろん、出題基準には明記がされていますし、保健師とのW受験の学生にとっては簡単な問題だったかと思いますが、看護師のみの受験生は面食らったのではないでしょうか。
過去問は重要ですが、過去問だけが出題範囲ではありません。出題範囲を示しているのは、厚生労働省が公表している「看護師国家試験出題基準」です。
特に出題基準の改定から年数が経っている第116回は、これまで使用されていない出題基準が使用される可能性もあるでしょう。
必修問題同様に、出題基準をひとつ一つつぶしていくような学習ができると、ベストではないでしょうか。
では、今回のまとめとして、【絶対得点しておきたい115回看護師国試問題】として「健康支援と社会保障制度」の問題を見ておきましょう。
地域包括ケアシステムについて正しいのはどれか。2つ選べ。
1.施設系サービスを含む。
2.地域における老人クラブや自治会などの活動を含む。
3.おおむね60分以内の日常生活圏を単位として想定している。
4.サービスのコーディネートを担う中核的な機関は都道府県である。
5.地域の特性にかかわらず、同じサービスが受けられることを目指している。
正解/1・2
選択肢毎に確認していきましょう。
まず、設問の「地域包括ケアシステム」の5つの構成要素を押さえましょう。
それは、「住まい・医療・介護・予防・生活支援(互助)」です。これを念頭に考えていきましょう。
1.施設系サービスを含む。→〇
「施設系サービス」とは、介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院のことです。
地域包括ケアシステムとは、これらの施設系サービスも含めて地域全体で高齢者を支える考え方です。
2.地域における老人クラブや自治会などの活動を含む。→○
1で説明のとおり、地域包括ケアシステムとは地域全体で高齢者を支える考え方のことです。
地域における老人クラブ、ボランティア活動、NPOなどの互助も重要な要素であり、地域包括ケアシステムの一部として位置付けられています。
3.おおむね60分以内の日常生活圏を単位として想定している。→×
地域包括ケアシステムでは、おおむね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域を想定しています。「60分」ではないことを確認しておきましょう。
4.サービスのコーディネートを担う中核的な機関は都道府県である。→×
中核となるのは都道府県ではなく、市町村です。
地域包括ケアシステムは市町村が主体となって構築します。また、実際の相談窓口は、地域包括支援センターになります。
5.地域の特性にかかわらず、同じサービスが受けられることを目指している。 →×
地域包括ケアシステムは、それぞれの地域の実情に応じて構築されます。例えば、都市部・農村部・過疎地域などでは、必要なサポートが異なることが想像できると思います。そのため、「全国一律の同じサービス」ではなく、地域特性に応じた仕組みづくりを目指しているのが特徴です。
地域包括ケアシステムは、地域に住む介護が必要な人や障害者が、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられるよう、地域が一体となって「住まい・医療・介護・予防・生活支援」を一体的に提供する仕組みのことです。2025年度をめどとして各地で構築が進められてきたため、2026年度の今は、地域包括ケアシステムに則った支援が提供されていることが望まれます。
そういった背景もあり、地域包括ケアシステムの理解は、高齢者や障害者の在宅ケアに欠かせない要素です。これから受験する模擬試験でも、正解したかどうかだけでなく、選択肢の内容まで確認してみましょう。「知らなかった」「迷った」という問題をそのままにせず、解答解説書を活用して、関連する知識まで確認することが、国試直前の得点力につながります。
次回は、成人看護学について説明します!
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