医教の必修問題対策トレーニングは、出題基準(※)ごとの分冊になっているのが大きな特徴です。どうして分冊になっているのかというと、それぞれの目標で学ぶことが大きく異なるからです。

目標Ⅰ:看護の社会的側面および倫理的側面について基本的な知識を問う。
目標Ⅱ:看護の対象および看護活動の場と看護の機能について基本的な知識を問う。
目標Ⅲ:看護に必要な人体の構造および健康障害と回復について基本的な知識を問う。
目標Ⅳ:看護技術に関する基本的な知識を問う。

なんだかピンとこない??・・・・・・具体的に出題された問題からキーワードを拾ってみましょう。

目標Ⅰ:総人口、労働人口、高齢者のいる世帯数、大気汚染、ワーク・ライフ・バランス、国民健康保険、医療保険、介護保険、インフォームドコンセント、看護師の業務、守秘義務などなど
目標Ⅱ:基本的欲求、乳児から老年期に至るまでの発達課題、医療法、訪問看護ステーション、介護保険施設、地域包括支援センター、保健所、学校、チーム医療 などなど
目標Ⅲ:解剖生理学、病理病態学、薬理学
目標Ⅳ:基本的な看護技術

となっています。

「必修問題」とひとくくりに言っても、問題の内容が全然違いますね。
目標Ⅲ・Ⅳについては、1年生の内から学ぶすべての看護の土台となる知識です。
目標Ⅰ・Ⅱについては、学校によって、学ぶ時期が異なると思います。看護を実践する上で、知っておくべき社会背景や法律などに関する問題で、暗記の要素が強い内容です。
この特徴を、しっかりと復習する時にも生かしていきましょう。

最高学年のあたな

必修問題対策トレーニングの成績表のミカタでも説明した通り、最高学年のみなさんは、得点率で80%以上を目指す必要があります。これは、国家試験の採点基準で、必修問題においては80%以上正答でないと、いくら他の問題が得点できても、合格にならないしくみがあるからです。
また、必修問題には、毎年必ず出る問題(人口動態、医療保健、介護保険、糖尿病関連など)と、数年に一度出る問題があります。数年に一度出る問題に、法則性があるわけではありません。だから、どれが出ても得点できるように、国試受験までに出題基準を網羅する必要があるのです。
 
今何をすべきか……ですが、受験した必修問題対策トレーニングの復習から始めましょう。
以下、弊社がオススメする復習方法です。

1)成績表を見て、×だった問題の解答解説書には、付箋やマークをつける。
2)○だった問題も含め、解答解説書を読む。
 ○だとしても、1点も落としたくないですから、漏れなく復習する必要があるのです。
3)×だった問題の該当する解答解説書を読む。
 どこでつまずいているのか、気がつけばOK。どこつまずいているのかがわからない場合は、教科書を開きます。その時、解答解説書右上の「この問題のポイント」を使って、教科書の索引から調べましょう
4)教科書をじっくり読み、内容を覚える。この時、絶対に自分の言葉で言い換えない。
 国試は、教科書に書いてある言葉や文章がそのまま出ます。だから、わかりにくくても、そのままの言葉で覚えておくことが、得点UPへの近道なのです。
5)最低3回は、解答解説書全問を復習する。偏差値が、50.0以下だった人は、5回を目標にしましょう!

今の時期(春~夏)は、目標Ⅲ・Ⅳを優先的にやるといいでしょう。目標Ⅰ・Ⅱはもう少し先でも間に合いますが、×だった問題だけは先に復習しておくと、よいでしょう。

低・中学年のみなさん

低・中学年のみなさんは、模擬試験などを受ける機会が、まだそれほど多くないと思います。今のうちに、模擬試験の効果的な受け方を習得し、その後の復習に生かせるようになると、最高学年になってからの国試対策もスムーズになると思います。

模擬試験の効果的な受け方~復習のしかた
1)1つひとつの問題を解くときに、「自信がある」「なんとなく」「わからない」のマークを決めて、問題冊子に書き込んでおく
  例)自信がある……○/なんとなく・・・△/わからない・・・×
2)成績表が返ってきたら、上記のマークを付けた問題冊子と正誤を確認する。
3)「自信がある」のマークを付けたのに、得点できなかった問題の解答解説部分に付箋をつける。
4)「わからない」のマークを付け、得点できなかった問題の解答解説に付箋をつける。3)と違う付箋だとなお可。
5)「なんとなく」のマークを付けた問題にも、付箋をつける。
6)3)→4)→5)の順番で復習をしていく。

3)の「自信がある」のに、得点できなかった問題は、あなたが誤って覚えてしまっている可能性が高い内容です。じっくり教科書などを使って、自分でノートなどをつくって復習することをオススメします。
 

 みなさんが学ぶ看護の学習範囲は、膨大です。授業や実習で学んだことが、しっかりと自分の知識になっているかを確認できるのが試験です。その試験で得点できていれば、それは自信を持っていいです。逆に、学んだはずなのに、理解できてないポイントを中心に復習することで、効率の良い勉強ができる、というわけです。限られた時間を有効に使って、勉強を進めていくことは、最高学年になってからの本格的な国試対策の際も、あなたのミカタになるはずです。

 

※出題基準とは?・・・・・・厚生労働省が定める国家試験の出題範囲のこと。数年に一度改定される。現在は平成30年版。こちらからダウンロードできます。