<part2>うまくMSWを活用してほしい!

看護師と協働するのは、どんな時でしょうか。

現在の急性期病棟においては、朝・夜の申し送り、病棟カンファレンス、患者さま個別のカンファレンスなど、看護師との接点はとても多いです。

どんなポイントに注意して、看護師と連携をされていますか。

看護師は医療職で、MSWは福祉職です。MSWは、看護師との連携なしには仕事になりませんので、経験の有無にかかわらず、双方が気持ちよく連携できるようなコミュニケーションを心がけています。相手の年齢にかかわらず丁寧語で話す、若手の看護師さんだったら、専門用語は使いすぎない、などでしょうか。
ただ、間違っていることは指摘します。

指摘されるのは、具体的にどんなことでしょうか。

例えば、ご家族の方から退院後の患者さまのケアについて質問されたとします。あいまいな答えをしてしまうと、入院中と退院後で支払うケア用品の金額が違う、などのトラブルにつながります。若手の看護師さんでは、そこまで知っている方はあまりいません。
特に、若手の看護師さんは「MSWとは何なのか?」ということを考え、うまく私たちMSWを活用してくれたら、うれしいですね。看護師さんから質問を受け、もしその場で答えられなくても、わたしは宿題にさせてもらって、必ず答えるようにしています。

IさんのようなMSWの方が院内にいたら、若手の看護師さんも心強いですね!

「チームで協働する」ということ
(写真はイメージです)

看護師と協働していく上で、印象に残っているエピソードがあれば、教えてください。

ある患者さんの退院支援についた時、退院後の生活上の重要なポイントで、患者さん本人と医師の意見が割れたんです。その時の看護師さんは患者さんの意見に寄り添って、医師の意見に真っ向から反対しました。当然、医師は結構強い口調で看護師の意見を退けようとしました。でも、その看護師さんが、どうにか医師を説得しようと試みていた姿は、手助けしたくなりましたね。

Iさんは、その看護師さんをフォローされたのですか。

ええ。看護師さんには、「こんな方法もあるよ。」と紹介したり、担当医師には、その看護師さんが医師に伝えきれていない思いなどをお伝えしたりしました。3・4年目の看護師さんだったと思うんですが、頑張ってほしいな、と応援したくなりましたね。

MSWから見て、他にどんな看護師さんを応援したくなりますか?

医師ももちろん忙しいですし、肉体的にも精神的にも負担が大きい。他の医療職もみな忙しい…。看護師さんももちろん忙しいのは重々承知していますが、自分たちだけが忙しいのではなくて、それぞれの職種の特徴を理解している看護師さんは、いいなって思いますね。

理解しているからこそ、尊重し合って、協働できるということですね。

ええ。退院支援を例にして言えば、絶対チームで動かないとスムーズに患者さんを退院させることはできない。それを理解できていれば、MSWをうまく使うこともできる。
看護師さんは、結婚・出産などのライフステージに合わせて、色々な働き方が選択できる職業だと思います。ぜひ、長く医療に貢献できる人材になってほしいと思います。