<part2>チーム医療の大切さを日々学んでいます。

看護師さんとの連携はどのように行っていますか。

病院では、出産の現場に医師も助産師も看護師も一緒に入ります。看護師さんには、定期的な血圧のチェックや点滴など外回りの介助をお願いします。このような現場では、お互いの信頼関係がとても重要になります。
現在の助産院では、別の病院で出産された方が産後ケアのショートステイで来られる場合に連携を取ることが多いです。その病院の看護師さんに連絡を取って情報を集めたり、逆に、今はこのような状況です、というような説明をしたりしてフォロー体制をとっています。

Tさんは助産師として働かれているなかで、チーム医療に関してどのようなことを感じていますか。

チーム医療はとても大切だと思います。自分の経験や知識では不足な点があって、それを他の職種の方にお願いしたりすることもあります。お産が終わって、お母さんが赤ちゃんと一緒に地域に戻ったときに問題があったら、保健師さんに連絡しようとか、児童相談所に連絡しようとかというケースもあります。

地域との連携においても、チーム医療という考え方は大切になってきますよね。
では、現在の助産院と前に勤務されていた病院とはどのような違いがありますか。

新卒で大きな病院に行ったのはよかったと思っています。医療現場で現在どういうことが行われているのかを体で覚えているので、咄嗟の判断が必要なときでも動きやすいです。どこで働いていても、緊急時の対応は大切になってきますから。
一方、助産院は、小規模ならではの良さがありますね。大きな病院だと、同時に何人も受け持っていたので、ケアも病院のタイムスケジュールに合わせて行うしかありませんでした。でも今は、褥婦さん一人ひとりの生活パターンに合わせてケアができるのでそこが良いと思います。融通がききやすいんですね。

どちらにもそれぞれの良さがありますね。

それから、病院にいた頃は時間に追われて自分を客観的に見ることができなかったと思います。今は年上の先輩方に、いろいろな知恵をいただいて、日々のケアに生かせるのでありがたいですね。

では最後に、看護学生の皆さんへのメッセージをお願いします。

学生時代の実習は、当時は辛かったけれど今思うと楽しかったという気持ちの方が強いです。一緒に勉強した友達と、怖い指導者さんの対策を考えたりして、看護を学ぶだけじゃなく、人とのコミュニケーションの取り方も学ぶことができるとか、実習をそんな風に捉えると楽しいのかもしれないですね。特に私たちの仕事は、コミュニケーションのスキルが大切になってきますから。

チームで仕事をするという観点からも重要ですね。今日は貴重なお話をありがとうございました。

地域で、チームで、という視点
(写真はイメージです)