看護学生には看護学生ならではの悩みがあるんです。勉強や実習、国試…考えるだけで不安がいっぱい。
でもなんとかこの状況を脱したい!つまずきがちなテーマを一緒に考えていきましょう。
指導者さん、怖い?
看護学生 Mさん
看護師になりたいという夢をかなえるために実習で奮闘の毎日。
指導者さんのイメージってどんな感じでしょうか。
「忙しそうな人」だし「怖そうな人」というイメージでしょうか。
でも、その反面、実習中につきそいの先生以外では「一番身近にいる人」であり、そして「患者さんの情報をたくさん持っている人」でもありますよね。
だから、うまく関わってアドバイスをたくさんもらったほうが、ゼッタイに自分のためなんです。
実習の指導者さんの大切な思いは。
半泣き あらため 美咲さん
今年3年目を迎える看護師。学生時代を懐かしく思い出しながら、相談に来る学生にアドバイスを送る。
指導者さんが実習で何を一番考大事にしているのかわかりますか?
(まあ、そんなことを考える余裕はないですよね)
答えはとてもシンプル。
当たり前ですが、一番は患者さんの安全の確保です。
そしてその上で、よい学びを学生にしてもらいたいと思っています。
(経験上も学生にいじわるをしたいと思っている人って、ほとんどいないと思います)
だから、次のような学生は指導者側からみた困った学生になってしまいます。
■指導された内容(特に安全面)に注意できず、1人で行動してしまう。
(これではいちばん大切な患者さんの安全は確保されません!)
■本当は理解出来ていないのに、分かったふりをする。
(分からないと言いづらくても、理解出来ずに行動するのは危険!)
■小さく頷く、黙ったままなどリアクションが薄い。
(理解できたのかどうかがはっきりしない!)
■期限までに記録を書かない、指摘された内容を改善しようとする姿勢が見られない。
(学ぶ姿勢に問題があります!)
技術面が未熟であったり、なかなかアセスメントが進まない場合もあると思いますが、一生懸命に学ぼうとする姿勢があると応援しよう、しっかり指導しようと思うものです。本来指導する側は、「怒る」ではなく、「叱る」でもなく、「指導する」「諭す」が好ましいのかもしれませんが、時に厳しい指摘を受けることもあるかもしれません。第6回でも記載しましたが、「怒る」と「叱る」は違う。私達によりよい方法を教えるため、何か気づいてほしくて厳しい指摘をする場合もあると思います。(中には忙しい業務のイライラをぶつける指導者もいるかもしれません。その場合はぶつけられた感情は受け流していいと思います)
指導者さんも努力している。
実は看護学生が知らないところで、指導者さんも学生受け入れのための準備をしています。
私の病院の例ですが、
(1)実習前に学校側と打ち合わせをする。
(ここで実習指導目標など説明受け学びのゴールを共有します)
(2)実習につきあっていただく患者さんを選定する。
(目標を達成するため、病状を含め患者さんを選定、できれば実習期間入院できるような方、患者さんのキャラクターも考慮します。そして患者さんに説明し同意を得ます)
(3)実習物品の不足がないかを確認。
(実習ウェルカムボードの作成など)
(4)実習初日のオリエンテーションの準備
(資料の作成、進行の確認など)
と続きます。
また多くの病院では、実習指導者も指導者としての心構えや指導の仕方に関して研修を受けており、学生にとって身になる実習を行うための努力をしているんですね。
看護はなまもの
私の好きな言葉に「看護はなまもの」というものがあります。流れている時の中で、その時しか学ぶことが出来ない、その時しか援助できない場面が実習中にはあります。その契機を逃さずにいてほしい。
だから指導者さんのことを怖い怖いとあんまり身構えずに、実習の目的を達成するために指導者さんからアドバイスをもらうんだ、と思って臨みましょう!

(テキスト:sakura nurse イラスト:中村まーぶる)