看護学生には看護学生ならではの悩みがあるんです。勉強や実習、国試…考えるだけで不安がいっぱい。
でもなんとかこの状況を脱したい!つまずきがちなテーマを一緒に考えていきましょう。


実りあるカンファレンスにするにはどうしたらいいでしょう。

看護学生Eさん

看護学生 Eさん
看護師になりたいという夢をかなえるために実習で奮闘の毎日。

カンファレンスのテーマをどのように決めたらいいのか毎回苦労しています。
今日の反省をそれぞれが言うだけで終わることもたびたびで、そんな雰囲気だと、連日の睡眠不足と午前の実習で立ちっぱなしの後だから、眠気でまぶたがくっつきそう…。
実りあるカンファレンスにするにはどうしたらいいでしょう。

これで解決!

半泣きあらため美咲さん

半泣き あらため 美咲さん
今年3年目を迎える看護師。学生時代を懐かしく思い出しながら、
相談に来る学生にアドバイスを送る。

実習中の「カンファレンス」とは、実習グループに先生や実習指導者が入って行われる小規模な話し合いをさします。テーマを学生が決めるときもあれば、最終カンファレンスや中間カンファレンス(看護過程の途中経過発表)などでは、あらかじめ学校側で決められている場合もあります。
テーマを選ぶにあたっては、カンファレンスの3つの目的と結び付けて考えてみましょう。

1)情報の共有

同じ領域の看護学実習でも、患者さんの疾患・年代・抱えている個人的な状況には違いがあります。そのため互いの学びを共有することで理解が深まり、新たな知識の習得にもつながります。

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例えば心臓カテーテル検査では、心臓の解剖生理から検査の目的や内容、検査前・中・後の看護について一連の流れで理解すると、自分の知識の整理にもつながり、グループメンバーに学びを共有するというメリットが得られます。
逆に、時間がない場合には、検査や看護についての記述が参考書の書き写しになることがあるかもしれません。そういったときでも、「検査後の安静がつらそうだった」など、患者さんの反応を入れることで検査上の留意点を共有できます。また、「滅菌操作がしっかりしていた」「検査前後で心電図を取っていた」など自分が検査室で見学した観察点を加えると、記憶に残るカンファレンスになるでしょう。

2)実習中の問題解決

患者さんとのコミュニケーション、看護過程の進め方、患者さんに合わせた看護技術の提供など、実習中に悩む場面はたくさんあると思います。一人では解決できないことも「三人寄れば文殊の知恵」でヒントがあるかも。

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受け持ち患者さんのケアの方法や、看護過程の展開などで悩んでいることを挙げてみましょう。例えば、「認知症患者さんへの関わり方」という大きなテーマよりも、「治療に協力してもらうために患者さんとどのように関わっていけばよいか」など、問題を具体的にして話し合うと、他のメンバーや実習指導者からのアドバイスも受けやすくなります。

3)自己の看護の振り返り

他人の意見を聞くこと、また相手に自分の置かれている現状を伝えることで、自分が行ってきた看護を振り返ることができます。また、他者の価値観に触れることで新たな発見があることも。

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看護過程の展開において、「看護問題をどうしてその優先順位で挙げたんですか?」と実習指導者に質問されたとします。その場合はまず自分で「どうしてそう考えたんだろう?」と振り返ってみましょう。その内容を加味してカンファレンスのテーマを設定すると、患者さんの全体像の見直しに繋がります。

以上がテーマ選びの3つのコツです。

また、カンファレンスでみんなが話をしやすくするために、雰囲気づくりも大切になります。

相手の意見はできる限りメモをとる。話を聞く時は相手の目を見る&頷くのを忘れずに。

→相手の意見をメモすることは、内容を理解するために役立ちます。
→そして互いの学びを理解し合うことは、1)情報の共有へと結び付きます。
→メモはあとで見直して復習するときの強い味方に。

一言でも意見を言うことを目標に。難しければ賛同の理由を言うだけでもOK。

→意見が多く出れば、2)実習中の問題解決の道しるべになります。
→また、発言することで考えがまとまり、3)自己の看護の振り返りにもつながります。

先生や実習指導者さんからも意見をもらいながら、充実したカンファレンスを作っていきましょう。

(テキスト:sakura nurse イラスト:中村まーぶる)