気になるビールのフシギを徹底究明!

そのヒミツは「幽門」だけが知っていた!!

春! 今年も、新たな出会いの季節がやってきました~♪
新歓コンパなど、お酒を飲んで楽しく集う機会が多くなりますよね?
そんな中、お酒を飲まない私がいっつもフシギに思うことといえば……、
「なんで、大量のお酒をあんなにガブガブ飲み続けられるの~?
しかも! つまみもバクバク食べてるし……。 一体、どんだけ強靭な胃をもっとるんじゃー!!」

という素朴なギモン!!
お酒を飲む人って、特殊な胃の構造をしているのかしらん? と、 私と同じように気になっている人も多いハズ。

そ・こ・で!!
今回は、飲酒と胃の関係について、調べてみました~!
さっそく次回のコンパで披露したくなる「胃ネタ」、大公開です♪


胃が充満した場合の容積は、通常、約1,200~1,600ml程度ですから、1,500ml以上の水をまとめて摂取すれば、胃は満杯になって苦しくなります。
でも、ビールの場合は、中ジョッキ(約500ml)で2~3杯くらいは短時間のうちに飲めてしまうのです。
なぜ、ビールだと苦しくならないのでしょう?

まずはココから! 「幽門」チャン、大活躍の巻

胃の主なはたらきは、「食べた物を一時的に貯留して粉砕し、少しずつ十二指腸に送り出す」ことですが、その中でも、胃の出口にある「幽門」という弁のような部分の役割はふるっています。

1)食塊が胃に入ってくると、胃は弛緩し、「幽門」が収縮して閉鎖することで、食塊を貯留する。
2)胃の蠕動運動によって食塊と胃液が混ざり合い、「幽門」方向に押し出されるが、「幽門」が閉鎖しているために逆に押し戻され、ドロドロの状態になるまで食塊の粉砕が進む。
3)粉砕された固形物の直径が1mm程度になると、やっと「幽門」を通過することが許され、貯留した食塊が少しずつ胃から十二指腸に送り出される。

うーむ。思わず、「幽門チャン、がんばれっ!!」と応援したくなる活躍っぷり!!
そして、この「幽門」がビールのガブ飲みのヒミツを握っているのです~。

ビールと「幽門」のフシギな関係♪

ズバリ!! ビールに含まれる炭酸とアルコールの刺激によって、
「幽門」が開きやすくなるのです。
「幽門」が開くということは、飲んだビールがすぐに胃を通過して十二指腸に流れ込むということ。
胃が満杯になることなく、ガブガブと飲めてしまうわけです。

また、ビールやワインなどの低濃度のアルコール溶液には、
胃内容物の十二指腸への排出を促進する効果があるといわれています
(高濃度のアルコールにはこのような作用はないとのこと)。

幽門イメージ

あんなに食塊の通過にはうるさかった「幽門」チャンも、ビールには思わず心を開いてしまうようです……。もしかして、「幽門」チャンもビール好き!?

さらに、ビールのアルコールは「幽門」の粘膜を刺激し、幽門前庭部のG細胞から消化管ホルモンである「ガストリン」を放出させ、胃液の分泌を促進します。
つまり、ビールを飲むことで、食欲も増し、食事もより一層楽しめるという効果もありそうです。


このように、「幽門」が開いてくれるおかげでビールは胃に溜まりにくく、苦しくならずにガブガブと飲めてしまうのです。
とはいえ、大量に飲めるからといって、飲み過ぎは禁物!! ほどよい距離感を持って、ビールとのお付き合いを楽しんでくださいね☆

カンパーイ

(イラスト:matya)