心肺停止した患者さんを前にしたら頭が真っ白。
またまた半泣きでSOSのメールを送信してみると……。

メール

差出人
hannaki♡ikyo.jp
件名

急変の対応ができませんでした。

宛先
anego♡ikyo.jp
働き始めて半年。
同期の人は、何回か急変の場面に遭遇していて、
いろいろ話は聞いていましたが、
私自身はそのような経験はありませんでした。
でも、昨日の夜勤のとき、受け持ちの患者さんが
心肺停止をしているところをラウンド(巡回)中に発見しました。
本当に何もできませんでした…。
声をかけたけれど反応がなくて、
まず呼吸・循環の確認をしなくてはならないのに、
血圧を測ろうとしたり。
きちんと院内で研修も受けていたのに、
頭の中が本当に真っ白で、
これじゃあ、資格持っているなんて言えない…。
すごくショックでした。
どうしたら、きちんと対応できるようになりますか?

メール

件名

Re:急変の対応ができませんでした。

おつかれさま。大変だったね。
気持ちは落ち着いてきたかな。
私も初めての急変のときは、
本当に立ち尽くしているしかできませんでした。
急変対応のときに必要なこと、
それは落ち着いて素早く正しい対処すること。
そのためには、標準的な治療の内容を理解し、
実際に行動できるようにすることが大切になります。

とはいえ、経験の浅い一年目のナースが「突然」起こる事態に慌てるのは当たり前。
今日は、「急変時の心構え」(主に心肺停止時の)について書きますね。
急変の発見をした場合、もし心肺停止ならば、
1)とにかく人を呼ぶ。
(一人でできることは限られている!ナースコール押す)
2)胸骨中央圧迫を行う。
(今はこれが何より優先!アンビューバックを使用すれば人工呼吸ができるので理想ですが身近にないことも)
とりあえず人を待ちましょう。
この間に情報の整理をして、少しでも落ち着いてください。
特に、休日や夜間の急変では、すぐに主治医と連絡をとれないことも。
そんなとき、その患者さんの情報を一番知っているのは自分かもしれません。
蘇生もチームです。
リーダー(特に医師が来るまでは)、心臓マッサージをする人、気道確保と換気をする人、外回り(記録・薬品準備・タイムキーパー)。
自分ができることをやれれば十分。
私が一年目のときは、心臓マッサージか記録ばかりしていました。
でも、記録係は周りを見渡す経験につながりました。
そして、もうひとつ大切なこと。
それは、半泣きちゃんのようにきちんと振り返ること。
自分がどういう動きをすれば良かったか、
先輩や医師はどのように対応していたのか、
きちんと振り返ることができるのは大切です。
その気持ちがあればきっと大丈夫!
第9回 不測の事態にもかくあるべしの巻

(テキスト:sakura nurse イラスト:中村まーぶる)