今回は「成人看護学」についてです。

成人看護学は出題範囲がとても広く、「人体の構造と機能」、「疾病の成り立ちと回復の過程」の2科目が深くかかわってきます。さらにこの2つの知識を踏まえて、どう看護するかが問われます。過去問を活用してよく出題されているポイントを掴み、効率よく点数を伸ばしましょう。また、見落としがちな項目も意識的に取り組みましょう。

「成人看護学」の学習ポイント

1)「人体」「疾病」の復習を兼ねながら、成人の学習を進める
2)過去問を使って、出題傾向を確認
3)病期やリハビリテーションについての問題も忘れずに!

1)「人体」「疾病」の復習を兼ねながら、成人の学習を進める について

「人体の構造と機能」、「疾病の成り立ちと回復の促進」、「成人看護学」の呼吸器に関連する出題基準を見てみましょう。



このように呼吸器だけでも膨大な量のキーワード(小項目)があります。まず、知識がどれだけ身についているか、過去問を使ってご自身の現在地を把握しましょう。

今回はCOPDの問題を例に挙げていきます。

 

2)過去問を使って、出題傾向を確認 について

第103回追試 AM40
慢性閉塞性肺疾患で正しいのはどれか。
1. 1秒率の低下が特徴的である。
2. 肺活量の低下が特徴的である。
3. 在宅酸素療法の適応にならない。
4. CO2ナルコーシスの場合は高濃度の酸素吸入を行う。
正解/1

過去問、教科書、参考書などを見て、慢性閉塞性肺疾患のポイントをまとめましょう。

慢性閉塞性肺疾患のポイント
・慢性閉塞性肺疾患は、吸気〇、呼気×
・吸気の指標:肺活量80%以上が正常
・呼気の指標:1秒率70%以上が正常
・慢性閉塞性肺疾患患者に高濃度酸素投与をすると、CO2ナルコーシスになる

正解は1でひとまず点数は取れますが、この問題を基にCOPDからCO2ナルコーシスになる理由を考えてみましょう。
キーワードとして、呼吸中枢、中枢・末梢化学受容体、PaO2、PaCO2、COPDをよく理解することが大切です。
COPD、CO2ナルコーシスの動画解説がございます。こちらをご覧ください。

この動画を踏まえて、もう1問見てみましょう。

第103回 PM49
Aさん(58歳、女性)は、10年前に肺気腫を指摘されたが喫煙を続け、体動時に軽い息切れを自覚していた。Aさんは、肺炎で救急病院に入院し経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉86%でフェイスマスクによる酸素投与(4L/分)が開始された。抗菌薬投与後6日、鼻腔カニューラによる酸素投与(2L/分)でAさんの経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉94%まで回復した。夜間Aさんは眠れているようだが、早朝に頭痛を訴え、日中も傾眠傾向になった。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。
1. 抗菌薬の変更
2. 酸素投与量の増加
3. 動脈血液ガス分析の実施
4. 胸部エックス線撮影の実施
正解/3

この問題ではCO2ナルコーシスを疑い、動脈血液ガスの分析が必要と考えられるかどうかが問われています。
国試対策においては過去問を解くだけでなく、やはり周辺知識の深堀りが必要だということが理解できるかと思います。

 

3)病期やリハビリテーションについての問題も忘れずに! について

成人看護学では疾患に関する看護だけでなく、病期(急性期・慢性期・周手術期)やリハビリテーションに対する基礎知識も出題されます。

ここに記載されているすべてが出題範囲。つまり外傷・熱傷・中毒・熱中症・低体温症への応急処置について出題される可能性も十分あるということです。
「過去問にはこんな問題はなかった、だから解けなかった」という認識ではなく、出題基準を振り返る習慣をつけましょう。

今回も、ご紹介した問題に関連する過去問を一覧にしています、ぜひご活用ください。
成人看護学 関連問題一覧