今回は「疾病の成り立ちと回復の促進」についてです。
この科目では単に病態生理だけではなく、疾病の要因や回復過程、生体反応など広範囲にわたって出題されます。重要なポイントを掴むためには、まず出題基準を確認し、過去問を使って学習、関連する内容(周辺知識)への理解を深めることをおすすめします。
疾病の成り立ちと回復の促進のポイント
2)過去問を見直す
3)関連内容(周辺知識)への理解を深める
では、実際に「疾病と成り立ちと回復の促進」の出題基準を見てみましょう。
これは「疾病と成り立ちと回復の促進」の出題基準のごく一部であり、この科目だけで全8ページ、288項目あります。
まずは遺伝子異常、先天異常というキーワードを中心に学習してみましょう。
遺伝病はどれか。
1. 川崎病
2. 血友病
3. B型肝炎
4. マラリア
5. サルコイドーシス
正解/2
ここでは解答を覚えるだけではなく、教科書や参考書を振り返りましょう。
教科書には
・血友病は遺伝病(伴性劣性遺伝)である
・X染色体に病気の因子が隠れている
・男性に多い
・伴性劣性遺伝は他にも色盲、デュシェンヌ型筋ジストロフィーがある
ということまで記載されています。
このようにひとつのキーワードから関連することを学んでおくと……
伴性劣性遺伝病<X連鎖潜劣性遺伝病>はどれか。
1. 血友病
2. ダウン症候群
3. 先天性風疹症候群
4. フェニルケトン尿症
正解/1
遺伝性疾患において男児に発症頻度の高い遺伝形式はどれか。
1.伴性劣性遺伝
2.伴性優性遺伝
3.常染色体劣性遺伝
4.常染色体優性遺伝
正解/1
こういった類似問題に対応することができるのです。
国家試験は類似する問題は出題されますが、まったく同じ内容は出ません。そのため、正答について覚えるのではなく、×選択肢についても理解を深めていきましょう。
また、最初に紹介した第99回AM74でしたら、正答である血友病だけではなく、×選択肢である川崎病、B型肝炎、マラリア、サルコイドーシスについても学習を深めていきましょう。
参考問題を一覧にしています、ぜひご覧ください。
参考問題を一覧 その1
もう1例見てみましょう。
Down〈ダウン〉症候群を生じるのはどれか。
1. 13トリソミー
2. 18トリソミー
3. 21トリソミー
4. 性染色体異常
正解/3
教科書や参考書には
・ダウン症候群とは卵子を形成する細胞分裂の際に染色体がうまく分離されないことが原因
・母親が高齢になるほど発生頻度が高くなる
・独特の扁平な顔貌、巨舌症、精神発達遅滞、40%に先天性心奇形の合併がある
・白血病の罹患率が高い
などと記載されています。
ダウン症候群を理解するのみにとどまらず、細胞分裂や先天性心奇形などについても振り返りましょう。
参考問題一覧その2
参考問題一覧もご覧いただけましたでしょうか。
出題基準のキーワードについて教科書で調べたら、それ関連する疾患やその問題の×選択肢まで学習する習慣をつけてくことで、広範囲の「疾病の成り立ちと回復の促進」をマスターすることができるのです。
※第100回 午前5、第103回追試 午後31は、出題当時のままの文章を明示しておりますこと、ご了承ください。