今回は、「老年看護学」についてです。

超高齢多死社会になった現在、10年前の国家試験よりも、老年看護学に関する出題は増えていますし、問題内容も多様になっています。とはいっても、奇をてらった問題が多いわけではないので、過去問でその出題傾向をつかみ、基本的な項目をしっかり押さえることが、得点につながっていきます。

では、具体的にはどのように攻略していけばよいでしょうか?

老年看護学攻略の攻略ポイントは?

老年看護学の攻略ポイントは、これだ!

1)高齢者を取り巻く社会環境に関連した問題が頻出!
2)カタカナ用語をチェックしよう!
3)認知症に関する問題は必ず出題される!

 

1)高齢者を取り巻く社会環境に関連した問題が頻出! について

高齢者に関する社会保障制度や法律(年金、介護保険、高齢者虐待防止法、成年後見制度など)についても出題されますが、注意したいのが高齢者の生活環境(同居者、介護者、収入、日々の生活など)に関する問題です。

過去問を見ていきましょう。

第108回 AM54
平成28年(2016年)の国民生活基礎調査における高齢者世帯の所得構造を図に示す。
Aはどれか。

1.稼働所得
2.財産所得
3.公的年金・恩給
4.年金以外の社会保障給付金
答え:3

最も多いのは公的年金・恩給で65.4%。つまり高齢者世帯の6割以上の人が「年金」で暮らしているということ。次に多いのが、稼働所得で21.1%。これは「働いてお給料を得ています」ということです。次が財産所得7.4%。例えば土地や建物を貸して収入を得ている、また、株などの利益も含まれます。年金以外の社会保障給付金は0.6%ということになっています。

過去5年においてはこれ以外に、高齢者がいる世帯の構造、活動と休息のリズム、65歳以上75歳未満の就業者、権利擁護、介護施設従事者による高齢者虐待、最期を迎える場所の希望、さらには再婚したいが息子に反対されている70代女性への声掛け、というような問題までも出題されています。高齢者がどういった生活環境にいるのか、どういったことを望んでいるのかなど、データや教科書掲載の事例などで裏付けしておくとよいかと思います。
 

2)カタカナ用語をチェックしよう! について

第100回前後のカタカナ用語ブームが過ぎ、落ち着いたかに見えますが、老年看護学においては、カタカナ用語に関する出題が近年また増えてきています

過去問を見てみましょう。

第108回 PM47
サクセスフルエイジングの説明で適切なのはどれか。
1.老化の過程にうまく適応する。
2.権威のある者によって一方的に守られる。
3.生命あるものに共通して起こる現象である。
4.社会的な役割から離脱することで自由になる。
答え:1

この「サクセスフルエイジング」は、第108回で初めて出題されました。「エイジズム」などを提唱したバトラー(Butler,R.N.)によるものです。初めて聞いたとしても、今回は「サクセスフル」という言葉の意味と明らかな×選択肢から、正解が選択できたかと思います。
これ以外にもPEM(ペム)、フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドロームなども近年話題になっていますね。また、評価基準もカタカナ名称のものがありますね(カッツインデックス、バーセルインデックスなど)。なんとなく「確かこんな意味だったよね?」というレベルの理解だと、国試本番の緊張からド忘れしてしまったりすることもありますので、正しく理解しておくことが大切です。
 

3)認知症に関する問題は必ず出題される! について

認知症に関する問題は、患者数が最も多いアルツハイマー型認知症に重点を置きがちですが、レビー小体型、前頭側頭型、脳血管性も数年ごとに出題されています。それらのポイントも押さえておきましょう。

第107回 PM80
Aさん(66歳、女性)は、4年前に前頭側頭型認知症と診断され、介護老人福祉施設に入所している。時々、隣の席の人のおやつを食べるため、トラブルになることがある。  
この状況で考えられるAさんの症状はどれか。
1. 脱抑制
2. 記憶障害
3. 常同行動
4. 自発性の低下
5. 物盗られ妄想
答え:1

正解の「脱抑制」とは、本来ならば、理性で我慢できることが押さえられない症状のことで、「隣の人のおやつを食べる」という部分が答えを導くポイントになります。
選択肢2の記憶障害は認知症の中核症状の1つですが、前頭側頭型では記憶は比較的保持されやすいです。選択肢3は、漢字そのままの意味で、例えば、同じ場所を何度も往復する、足をバタバタさせるなど。選択肢4は、前頭側頭型の症状といわれます。また選択肢5は認知症の行動・心理症状である妄想の1つです。しかしこれら2つの選択肢については、問題文内に関連を示す情報がありません。

認知症の攻略法ですが、まずは代表的な認知症についてそれぞれの好発年齢、障害部位、特徴、経過などを押さえましょう。次に、認知症の検査(長谷川式認知症スケール〔HDS-R〕、ミニメンタルステートテスト〔MMSE〕)の評価方法、認知症の中核症状、行動・心理症状、それらに対応する看護をおさえます。そして、各認知症の出題傾向を調べてどういった点が狙われやすいのか、という点を理解すると、さまざまな方向から問われても得点につながりやすくなります。

 
今回の3ポイントふまえた過去問を、コチラにまとめています。ぜひご利用ください。
次回は、小児看護学について説明します!