母乳育児を成功させるための10か条

今回いただいたご質問


 
質問

『母乳育児を成功させるための10か条』というものを知りました。具体的にはどのようなものなのでしょうか?

回答

『母乳育児を成功させるための10か条』は、WHOとユニセフが1989年に世界中のすべての産科施設に対して出した共同声明です。

その後、1991年にこの10か条を採用し、遵守・実践している産科施設を『赤ちゃんにやさしい病院(Baby Friendly Hospital:BFH)』として認定することを決定しました。

2009年8月時点で、全世界に約2万施設が認定されていますが、日本国内では61施設が認定されています。

『母乳育児を成功させるための10か条』
母乳育児の方針を全ての医療に関わっている人に、常に知らせること
全ての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えること
全ての妊婦に母乳育児の良い点とその方法をよく知らせること
母親が分娩後、30分以内に母乳を飲ませられるように援助すること
母親に授乳の指導を十分にし、もし赤ちゃんから離れることがあっても母乳の分泌を維持する方法を教えること
医学的な必要がないのに母乳以外のもの、水分、糖水、人工乳を与えないこと
母子同室にする。赤ちゃんと母親が一日中24時間、一緒にいられるようにすること
赤ちゃんが欲しがる時に、欲しがるままの授乳をすすめること
母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないこと
母乳育児のための支援グループ作りを援助し、退院する母親にこのようなグループを紹介すること

以上を理解した上で、看護師国家試験の過去問題を解いてみましょう。



チャレンジしてみよう


 
問題
〔問題〕
母乳栄養を希望する褥婦の退院指導で適切なのはどれか。
1.
入浴時は石けんを用いて乳頭を洗う。
2.
児が欲しがるときはいつでも授乳してよい。
3.
体重増加量が30g/日以下の場合はミルクを足す。
4.
授乳前の乳房緊満感がない場合は母乳不足である。
解答
石鹸で洗うことによって、皮膚の自然な皮脂分が取り除かれてしまい、乳頭の皮膚が乾燥しやすくなり亀裂などの乳頭トラブルを起こしやすくなる。汗ばんでいる場合は授乳前に軽く汗をおさえる程度でよい。
正しい。児が欲しがる時に、欲しがるだけ授乳することを自律授乳という。児の吸啜刺激によって、プロラクチン、オキシトシンの分泌が盛んになるため、決められた授乳間隔を設けずに自律授乳を勧める。
母乳育児を希望している褥婦に対し、母乳が足りないからすぐにミルクを足す指示を出すのではなく、母乳分泌状況や児の健康状態などをアセスメントする必要がある。その上でミルクを足さないようにするにはどうすればよいかということをまず考えるべきである。基本的に、WHO/ユニセフは、生後6か月までは1日の体重増加は18~30gであればよいとしている。
乳房緊満感の有無のみでは、母乳分泌不足とは判断できない。母児の総合的なアセスメントが必要である。
正解 


編集後記


 
担当者

今回は医教編集部フレディが担当しました。

私も臨床にいた頃は、助産師として毎日多くの母乳や育児に関する相談を受けていました。母乳や育児に関する情報は時代によっても左右されます。

今の時代、お母さんたちはあらゆるところから情報を得ることもできます。そんな溢れかえった情報にお母さんたちが戸惑うことがないよう、自信をもって楽しく育児ができるように、確実な知識を提供することが母性看護では非常に重要ですね。

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