胞状奇胎について

今回いただいたご質問


 
質問

胞状奇胎とは何ですか?また、胞状奇胎を起こした妊婦さんへはどのようなフォローが必要なのですか?教えてください。

回答

ご質問ありがとうございます。


<胞状奇胎とは>
胞状奇胎とは、異常な受精卵あるいは胎盤由来の組織(絨毛)が過剰に増殖したものをいいます。(原因としては、異常な受精卵が増殖したケースがほとんどです。)

胞状奇胎のうち、80%は良性といわれています。ただし、残りの20%は周囲の組織に浸潤し、うち2~3%は絨毛がんとして体内に広がる危険があるため、注意が必要です。

<症状>
胞状奇胎は、胎児よりもはるかに早いスピードで増殖するので、正常な妊娠に比べて腹部のふくらみが大きくなるのが特徴です。また、吐き気や嘔吐がひどかったり、不正出血が見られたりすることもあります。

血液検査では、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)値が異常高値を示すことも、診断の指標のひとつとなります。

<診断>
胞状奇胎は、妊娠してから早い時期に診断されるケースが多いといわれています。

胞状になった組織がブドウの房状に見えるのが大きな特徴で、心拍や胎児の動きも認められません。

<治療>
治療としては、子宮内掻爬を行い、胞状奇胎をすべて取り除く処置(2回繰り返すことが多い)が行われます。ただし、体内に組織が残っていたり、がんに移行していたりする場合もあるため、定期的にhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)値を測定する必要があります。

一度下がったhCG値が再び上昇した場合などは、組織の増殖または絨毛がんの可能性を疑います。その経過などから、子宮全摘出術や抗がん剤治療が必要となってくる場合もあります。

なお、hCG値は、正常妊娠の際にも上昇します。そのため、もし胞状奇胎後のフォロー中に再び妊娠してしまうと、正常妊娠か再発かの区別がつきにくくなってしまいます。

このことから、医師からの許可が下りるまでは、必ず避妊を続けてもらう必要があります(おおよそ6か月~2年)。胞状奇胎は術後の管理が非常に重要です。


回答は以上になります。
では、国家試験の問題を実際に解いてみましょう。



チャレンジしてみよう


 
問題
〔問題〕
胞状奇胎後に発生しやすいのはどれか。
1.
乳がん
2.
絨毛がん
3.
卵巣がん
4.
子宮頸がん
解答
上記のとおり
正解 


編集後記


 
担当者

今回は医教編集部のまんまみーやが担当しました。

自分のお腹に授かった胎児を失う女性の精神的苦痛は、看護師が想像する以上に大きいものです。特に胞状奇胎の場合には、「避妊をきつく指示されること」「胎児を失った喪失感」に加え、「絨毛がんによる母体の危険性」もあるため、心身ともにより慎重なフォローが必要です。

また、次に授かった胎児が健康に産まれてくるまでは、どうしても不安が拭えないものです。このような状況において、共感・傾聴の姿勢をもって接する看護師の存在は、とても心強く感じるものです。

学生のみなさんには、ぜひ"患者さんの心に寄り添う看護師"になって欲しいと期待しています!

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