ノルウェー疥癬について

今回いただいたご質問


 
質問

皮膚疾患の授業で、疥癬について学びましたが、一般的な疥癬とノルウェー疥癬の違いがよく分かりませんでした。分かりやすく教えてください。

回答

では、一般的な疥癬とノルウェー疥癬の違いについて、ご説明いたしますね。

一般的な疥癬とノルウェー疥癬の違いは、2つあります。

ひとつは、感染の原因となるヒゼンダニ(疥癬虫)の数です。
どちらもヒゼンダニ(疥癬虫)が身体に取りつくことによって起こる皮膚感染症であることに変わりありませんが、一般的な疥癬の場合は多くても約1,000匹であるのに対し、ノルウェー疥癬は約100~200万匹であるといわれています。

もうひとつは、周囲への感染力の違いです。
一般的な疥癬に比べ、ノルウェー疥癬はヒゼンダニの数がはるかに多いため、周囲への感染力も強いといえます。病棟にノルウェー疥癬の患者さんがひとりでもいると、あっという間に他の患者さんや医療スタッフに感染する危険性が高いといわれています。そのため、ノルウェー疥癬の患者さんは個室に隔離する必要があるのです。

在宅療養者の場合、直接接触による感染力が強いため、家族に直接的な接触を避けるよう指導し、同時に受診するよう指導します。
できる限り入浴などで身体を清潔に保つことで治癒が早まります。

なお、ノルウェー疥癬が起こる原因は、何らかの原因によって免疫力が低下していることが挙げられます。たとえば、加齢や病気などによって体力が衰弱している場合や、免疫抑制剤を使用している場合、化学療法などによって一時的に免疫能が低下している場合などが挙げられます。

では、ここまでを整理した上で、第96回の国家試験の問題を実際に解いてみましょう。



チャレンジしてみよう


 
問題
〔問題〕
ノルウェー疥癬と診断された在宅療養者。
介護者への指導で適切なのはどれか。
1.
療養者のケアには手袋を用いる。
2.
入浴はデイサービスを利用する。
3.
衣類は家族の物と一緒に洗ってよい。
4.
かゆみには副腎皮質ステロイド剤を塗布する。
解答
自分だけでなく、周囲への感染を防ぐため、必ず手袋を装着する。
デイサービスでの浴場は、他の利用者やスタッフへの感染を引き起こす危険性がある。
感染者の衣類には、感染源であるヒゼンダニがたくさんくっついている危険性があるため、家族の衣類とは別にし、袋に密封しておく必要がある。洗う前に熱湯に10分以上浸して、ヒゼンダニを死滅させてから洗濯するのが望ましい。
副腎皮質ステロイド剤には、免疫力低下を起こす副作用があり、症状を悪化させる危険性がある。
正解 


編集後記


 
担当者

今回は医教編集部のまんまみーやが担当しました。

患者さんと関わるスタッフは、患者さんへのケアによって感染を防ぐ役割が期待される一方、知らず知らずのうちに感染源の運び屋となり、院内感染を引き起こす原因になる危険性もあります。そのため、感染症の患者さんと関わる際には、それぞれの感染源がもつ特徴や、感染予防に必要なポイントについての情報について、事前に熟知しておきましょう。

また、無菌操作や清潔・不潔の区別についても、確実に行えるようにすることが大切ですね。

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