血圧について

今回いただいたご質問


 
質問

加齢に伴って、収縮期血圧は上昇し、拡張期血圧は下降するというメカニズムが理解できません。

回答

ご質問ありがとうございました。

血圧とは、血液が血管の壁(血管壁)を押す力のことです。

収縮期(最高)血圧⇒心臓が縮む時に、動脈から血液が勢いよく流れます。この、血液が血管の壁を押す力を「収縮期血圧」といいます。

拡張期(最低)血圧⇒心臓が拡張する時に、膨らんでいた大動脈が元に戻ろうとし、その力で心臓に血液が運ばれます。膨らんでいた動脈が元に戻ろうとする力を「拡張期血圧」といいます。

では、柔らかいゴムのホースを「健康な血管」とイメージしてみましょう。

収縮期には、心臓から勢いよく血液が送り出されますが、柔らかいゴムのホースは、弾力性があるので、血液の勢いによってホース(血管)が柔軟に広がります。
そのため、収縮期血圧は正常範囲で保たれます。

次に、金属のホースを「高齢者の血管」とイメージしてみましょう。
高齢者では、動脈硬化や加齢によって、血管が硬い状態になりやすい傾向があります。

金属のホースには、心臓が送り出した血液の勢いを和らげるだけの弾力がありません。
そのため、心臓から拍出された血液は、勢いがあるにも関わらず、無理やりホースの中を通り抜けようとします。そのため、収縮期血圧は上昇します。

広がった血管が戻ろうとする力が拡張期血圧ですが、金属のように硬いホース(高齢者の血管)には、元に戻ろうとする力がありません。そのため、拡張期血圧は低下します。

ちなみに、心臓を栄養している冠動脈は、拡張期血圧によって運ばれる血液によって活動を維持しています。拡張期血圧が下がると心臓への血の巡りが悪くなって、狭心症などの虚血性心疾患を起こしやすくなります。(高齢者に狭心症などの罹患者が増加する要因のひとつです。)

加齢に伴う変化に関しては、身体的・精神的変化ともによく出題される範囲です。 その変化の特徴を、この機会にまとめておくと良いでしょう。

では、国家試験の過去問題を実際に解いてみましょう。



チャレンジしてみよう


 
問題
〔問題〕
高齢者の身体的変化で正しいのはどれか。
1.
肝臓の肥大
2.
皮下脂肪の増加
3.
収縮期血圧の上昇
4.
胃の塩酸分泌の増加
解答
肝臓の細胞数が減少する(肝機能はほとんど変わらない)。
皮下脂肪は減少する。
収縮期血圧は上昇する。
胃の塩酸分泌は減少する。
正解 


編集後記


 
担当者

今回は医教編集部のまんまみーやが担当しました。

高血圧は、自覚症状として発見される頃にはすでに生死に関わる状況であることが多く、サイレントキラー(沈黙の殺人者)ともよばれています。
血圧コントロールを大きく左右するのは生活習慣ですが、長年の習慣を改めていくというのは決して容易なことではありません。
血圧コントロールの必要性を理解し、ひとりひとりに合った生活習慣を見つけていけるよう、患者さまと共に考えていくことが大切ですね。

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