ご質問ありがとうございました。黄疸について説明させていただきます。 今回は、ビリルビンの代謝の流れを順に追いながら、黄疸の種類についてひとつひとつ確認していきましょう。
【1】まず『老化して古くなった赤血球(ヘモグロビン)の80%が、全身中の細胞内皮細胞に取り込まれて代謝されると、間接ビリルビン(非抱合ビリルビン)ができる(残りの20%は肝臓や骨髄などで直接代謝される)』ということを覚えておきましょう。
間接ビリルビンは水に溶けにくいので、このままでは脂肪に溶けて皮膚に沈着してしまいます。そのため、水に溶けるような形に変換される必要があるんですね。
さて、話は戻りますが......
間接ビリルビンはアルブミンと結合して、血液を通して肝臓に運搬されます。
赤血球自体に異常があったり、体内の他の異常があったりすると、赤血球が過剰に代謝(破壊)されてしまい、増えた間接ビリルビンを肝臓で処理しきれない状態になることがあります。この状態が溶血性黄疸(間接ビリルビン上昇)です。 〔例〕輸血、血液型不適合、敗血症など
【2】間接ビリルビンは、肝臓の表面でアルブミンと離れ、肝細胞へ運ばれます。
アルブミンと離れた後は、肝細胞へ取り込まれ、直接ビリルビンに変換されます。
これがグルクロン酸抱合です!
生まれたばかりの赤ちゃんは、間接ビリルビンを直接ビリルビンに変える酵素の働きが未熟です。古くなった赤血球はどんどん破壊されるのに、間接ビリルビンを直接ビリルビンに変換する働きが追いつきません。そうなると、間接ビリルビンは直接ビリルビンに変換されずに、どんどん増えてしまいます。
この状態が、新生児黄疸(間接ビリルビン上昇)です。
・肝細胞の障害などにより、せっかく肝臓にたどり着いた間接ビリルビンを取り込みにくくなった場合
・または、間接ビリルビンを肝細胞の中に取り込んでも、肝機能に障害があるために、直接ビリルビンへうまく変換することができない場合
間接ビリルビンが処理しきれずに、増えてしまった状態になります。
この状態が肝細胞性黄疸(間接ビリルビン上昇)です。 〔例〕急性・慢性肝炎、中毒性肝障害、劇症肝炎、肝硬変など
※肝炎や肝硬変では、炎症によって肝臓や胆道などが破壊されると、胆道が閉塞してしまうために閉塞性黄疸の状態となることがあります(直接ビリルビン上昇)。
【3】肝細胞で作られた直接ビリルビンは、胆汁に混ざって、胆管や腸管に排泄されます。
肝臓内の毛細血管から小胆管(主にグリソン鞘周辺部)にかけての障害が起こると、ビリルビンがスムーズに胆汁と混ざることができません。 そうなると、直接ビリルビンは胆汁に排泄されずに、血液中に増加した状態で、肝臓内にたまってしまいますね。この状態が肝内うっ帯性黄疸(直接ビリルビン上昇)です。 〔例〕薬剤肝炎、アルコール性肝炎など
何かの原因によって、胆道が閉塞されてしまうと、肝細胞から胆汁に排泄された直接ビリルビンが、腸管に排泄されず、血液中に逆流してしまいます。
そうなると、直接ビリルビンが排泄されずに増加してしまいます。
この状態が閉塞性黄疸(直接ビリルビン上昇)です。
〔例〕肝管・胆のう・総胆管などの炎症や腫瘍など
【4】胆汁に混ざって腸管に排泄された直接ビリルビンは、腸管の中にある酵素の働きで、ウロビリノーゲンに還元されます。ウロビリノーゲンの行き先は主に3通りです。
これが腸管循環です。
①便中に排泄される(ウロビリノーゲンの形のまま、もしくは酸化してウロビリンという形となり、排泄される)。 ②尿中に排泄される(ウロビリノーゲンの形で排泄される)。 ③腸管で再吸収され、門脈を通って肝臓にたどりつき、再び胆汁中に排泄される。
なお、過去の国家試験でも、黄疸についての出題があります。また、黄疸については、国家試験での出題頻度がとても高い傾向にありますので、この機会に知識を整理しておくと良いと思います。
では、実際に過去問題を解いてみましょう。
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