誤嚥性肺炎について

質問
誤嚥性肺炎はどのようなときに起こりますか?

回答
嚥下、誤嚥性肺炎、嚥下障害について説明します。


消化器

ヒトの体の中で、消化吸収という働きをおこなっている一連の器官(口腔-咽頭-食道-胃-小腸-大腸-直腸-肛門)を消化器系統といいます。日本人の成人の場合、消化管の長さは約9m前後といわれており、そのうち約40cmが横隔膜よりも上にあります。食道の長さは約25cm、小腸の長さが6~7m、大腸は1.5~1.6mほどの長さがあります。

●咽頭の断面図


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嚥下

私たちが食事で摂取した食べ物は、唾液腺から分泌される唾液と混ぜ合わされながら歯でかみ砕かれ咀嚼されてやわらかく、細かくなります。このとき下顎骨や歯が重要な働きを行い、唇や頬、舌などの働きによって飲み込みやすいかたまり(食塊)をつくります。つぎにこの食塊は咽頭、食道を通って胃に送られます。この動きを嚥下運動(飲み下し運動)といいます。嚥下運動は延髄の嚥下中枢の支配を受けて行われています。食塊が咽頭から食道にはいってくると、食道には蠕動運動がおこって食塊を胃のほうへと送り出します。ただし、液体は重力の作用で一気に食道を通って胃の中に入ります。

誤嚥性肺炎

この嚥下運動でしばしば問題になるのは、高齢者や脳疾患患者、口腔・咽頭・喉頭疾患患者、食道疾患患者などに多い誤嚥性肺炎です。誤嚥性肺炎とは、本来気管に入ってはいけない物が気管に入り(誤嚥)、そのために生じた肺炎のことです。 健康な若い人の場合、異物が気管に入ったりすると、激しく咳込んで、その異物を気管の外に出してしまいます。しかし、高齢者や脳梗塞などにより咳反射が低下している人の場合は、異物を出すことが出来ず、気管から気管支に入ってしまい、肺炎を起こします。誤嚥性肺炎の患者さんは低栄養、脱水症状、食べる楽しみの喪失、誤嚥性肺炎や窒息の危険などにさらされます。異物というと、食物、胃液、歯などを連想しますが、口腔内の雑菌も、唾液と一緒に少量ずつでも誤嚥すると肺炎になります。実は老人性肺炎といわれている肺炎の大部分は、この細菌性誤嚥性肺炎であり、これは要介護老人の直接死因の約30%を占めているといわれています。

嚥下障害

嚥下に関する疾患でもうひとつ多いのは心因性の嚥下障害です。患者さん本人は咽頭に異物感があると訴えるにもかかわらず、嚥下機能には支障がない場合をいい、心理的要因が大きく関与していると言われます。一般的にのどに異物感はあるが食事摂取の際に嚥下困難はなく、唾液を飲込む時に異物感が強くなるという症状がみられます。ガンの不安をかかえている場合や神経症、心身症、ヒステリー、精神病などで心因性嚥下障害がみられることがあります。


 
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