神経障害、網膜症、腎症の3大合併症は以外にも合併症があります。
現在日本における糖尿病人口は 1、300万人を越えると推計されています。この数字は日本の総人口の10%をこえていて、その半分以上は治療を受けていないといわれています。糖尿病は自覚症状があまりない病気のため、検診で血糖値が高くて糖尿病を強く疑われる状態でも、治療を受けないことがどうしても多くなりがちです。しかし症状が出なくても、糖尿病は徐々に進行し、さまざまな恐ろしい合併症をひきおこします。糖尿病の本当の怖さはこの合併症なのです。
主として小児と若者に急激に発症します。生まれつきインスリンが欠乏していたり、膵臓にあるβ細胞がなんらかの原因で破壊された結果、インスリンを分泌できなくなり、高血糖を呈するようになります。原因は十分にはまだ解明されてはいませんが、多くの患者さんで膵島細胞に対する抗体が存在するということがわかっています。
糖尿病患者の90%を占めていて、インスリンの分泌量が低下しているか、インスリンの血糖を下げる作用が弱くなって発症するもので、遺伝素因のほかに、エネルギーの過剰摂取や栄養の偏った食生活、運動不足、ストレスが大きくかかわっています。このタイプは40才以降に発症することが多いのですが、肥満児の増加と共に10代から発症する症例も増えています。現在、糖尿病の治療には食事療法、運動療法、インスリン療法があります。
高血糖といわれても病院を受診せず、その状態を放置しておくと恐ろしい合併症がおこります。失明する場合もあれば、死期を早めることもあります。合併症が出るということは、すでに症状がかなり進行してしまっているのです。合併症で代表的なものは、神経障害、網膜症、腎症で、3大合併症といわれています。それ以外にも、脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・糖尿病性壊疽・感染症などがあります。
神経障害は3大合併症中でも、発症の頻度が一番高いと言われています。神経障害は、末梢神経障害と自律神経障害に大別できます。末梢神経障害は血糖のコントロールが悪く 高血糖の状態が続くと、ブドウ糖が神経細胞の中に入って、神経の働きを低下させてしまいます。特のひざから下が強くしびれたり、痛んだりします。最悪の場合壊疽に至る場合もあり、そうなると手足の切断をするしかなくなり、患者さんのQOLは非常に低下しますし、その後の生存率も悪化します。自律神経は内臓などをコントロールしている神経なので、自律神経が障害をうけると顔面麻痺やしびれ、たちくらみなどの症状がでてきます。
網膜症と白内障は、糖尿病による代表的な目の疾患です。糖尿病網膜症は、失明原因の第1位にであり、眼底にある網膜の毛細血管に微小動脈瘤や小さな出血が生じ、網膜に多くの小さな壊死部分ができて視力の低下を招き、最悪の場合失明に至ります。
現在人工透析を導入する人の30%が糖尿病が原因によるものだといわれています。血糖値が高い状態が続くと 腎臓の血管が冒され、糸球体の硬化がおこり、血管からタンパクが漏れ出て、老廃物を濾過する機能が衰えてきます。やがて浮腫が発生し、さらに進行すると、腎不全・尿毒症になって透析が必要になってしまいます。
3大合併症以外で糖尿病の合併症で恐ろしいのは、直接命に関わる脳梗塞や心筋梗塞です。脳梗塞の人の約50%、心筋梗塞の人の約30%に糖尿病があるといわれています。脳梗塞や心筋梗塞は、脳や心臓に栄養を送っている動脈が動脈硬化を起こして、塞がってしまう結果起こるものです。心筋梗塞は命にかかわる非常に危険な病気ですし、脳梗塞も半身麻痺になって手足や話すことが不自由になる疾患で患者さんのQOLが非常に悪い疾患です。
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