今回頂いた質問

定期予防接種は絶対に受けなければならないのでしょうか? 接種できない場合もありますか?

予防接種には、予防接種法に接種を受けるように努めなければならないと定められている定期の予防接種と、希望で接種する任意の予防接種の2種類があります。

定期予防接種

予防接種法による定期の予防接種は市町村長が行うこととされており、予防接種法に基づくA類疾病の対象者は、集団予防を目的としており、予防接種を受ける努力義務がある。ただし、予防接種法に基づくB類疾病の予防接種の対象者については努力義務が課されていない

任意予防接種

任意の予防接種は、被接種者及び医師の責任と判断によって行われるものであり、行政が勧奨するものではない。

対象疾患
定期予防接種A類疾病:ジフテリア(D)、百日咳(P)、急性灰白髄炎(ポリオ)、破傷風(T)、麻疹、風疹、日本脳炎、結核、ヒブ、肺炎球菌(小児)、ヒトパピローマウイルス
B類疾病:インフルエンザ
任意予防接種生ポリオ、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、水痘、A型肝炎、B型肝炎、ロタウイルス、肺炎球菌、インフルエンザ

接種不適当者・接種要注意者

予防接種の不適当者と要注意者については次のとおりです。

接種不適当者1. 明らかな発熱
2. 重篤な急性疾患罹患者
3. 接種成分でのアナフィラキシー経験
4. ポリオ・麻疹・風疹では妊娠者
5. その他の不適当な状態
接種要注意者1. 心臓血管・腎臓・肝臓・血液疾患および発達障害などの基礎疾患
2. 前回の予防接種で2日以内の発熱・アレルギー
3. 過去の痙攣既往
4. 過去に免疫不全の診断がなされた
5. 接種成分に対するアレルギーの可能性
6. BCGでは過去に結核患者との長期の接触・その他の結核感染の疑い

予防接種について少し理解できましたか?では、過去国家試験の問題を解いてみましょう。

問題

第100回 看護師国家試験 午前問題89

定期予防接種の対象である疾患はどれか。2つ選べ。

1.麻疹
2.水痘
3.風疹
4.B型肝炎
5.流行性耳下腺炎

1.
2.×
3.
4.×
5.×
上記のとおり。

正解は… 1・3

予防接種法と予防接種の注意点、ワクチンの特徴と接種上の注意点についてについ詳細が記載されている感染症情報センター予防接種ガイドラインは次のとおりです。 必要を感じた際にはご活用ください。
予防接種法
感染症情報センター 予防接種

編集部より

ヒトパピローマウイルスワクチンの接種が始まりましたが、その副反応について、死亡例も含む事例が報告されています。国も積極的な勧奨をしないようにとの勧告を発表しました。動向が注目されますね。