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国試に役立つみんなの質問|アルカローシスについて

今回頂いた質問

低カリウム血症で、代謝性アルカローシスが起こる機序がわかりません。

ご質問ありがとうございます。生理学の中でも体液に関するものは難しく感じますよね。ですが、とても重要ですのでしっかり理解しておきましょう!

まずは、アルカローシスとアシドーシスについて簡単に説明しますね。
生体の血液のpHは、常に一定の(7.4±0.05)になるように保たれており、これを酸塩基平衡とよびます。この酸塩基平衡に異常がおこり、pHが7.45以上になった状態をアルカローシス、pHが7.35未満になった状態をアルカローシスといいます。
さらに、その原因が呼吸異常による場合を呼吸性、その他の原因(腎臓の異常や糖尿病、消化器疾患のような代謝の障害など)が原因の場合をの場合を代謝性といいます。
つまり、塩酸基平衡の異常は以下の4つのパターンに分類されます。
①呼吸性アシドーシス
②呼吸性アルカローシス
③代謝性アシドーシス
④代謝性アルカローシス

分類

主な変化

pH

原因となる病態

呼吸性

アシドーシス

二酸化炭素分圧(PaCO2)↑

COPD(慢性肺気腫など)、呼吸筋の障害、呼吸不全

アルカローシス

二酸化炭素分圧(PaCO2)↓

過換気症候群

代謝性

アシドーシス

重炭酸イオン(HCO3)の減少

水素イオン(H+)の増加

腎不全、下痢などによる腸液の喪失、ケトアシドーシス

アルカローシス

重炭酸イオン(HCO3)の増加

水素イオン(H+)の減少

反復性嘔吐(肥厚性幽門狭窄症)、原発性アルドステロン症

次に低カリウム血症について説明します。
血漿中のカリウム濃度が3.5mEq/l以下に低下した状態をいいます。
主な原因には、①経口摂取量の低下 ②カリウムの喪失 ③カリウムの排泄促進 ④カリウムの再吸収低下 ⑤カリウム分布異常などが挙げられます。

症状は通常、血清カリウム濃度が2.5mEq/l以下になった時に出現し、筋力低下、脱力、感覚異常、麻痺などの神経筋障害、便秘、腸閉塞などの消化器症状、腎障害、耐糖能低下、代謝性アルカローシスなどが挙げられます。

以上のことを踏まえ、低カリウム血症になると何故アルカローシスになるのかを考えてみましょう。

酸塩基平衡
H2O+CO2
H2CO3
H++HCO3-
 
(アルカリ性)
血液pH7.4
(酸性)

H+を喪失すると酸塩基平衡は右側の方向に傾き、 HCO3-が増加してアルカローシスとなります。
何らかの原因で大量のK+が失われて低カリウム血症となると、K+が細胞内から細胞外に移行します。すると電気的中性を維持するためにH+が細胞外液から細胞内へ移行します。また、遠位尿細管のNa-K交換部位でも、Kの代わりにH+が排泄されやすくなります。その結果、細胞外のH+は減少し、アルカローシスが起こります。

国家試験では、酸塩基平衡に関する問題が多く出題されます。
では、酸塩基平衡について問われた国家試験の過去問題を解いてみましょう。

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一問一答

第102回 看護師国家試験 午前問題29

酸塩基平衡の異常と原因の組合せで正しいのはどれか。

1.代謝性アルカローシス―――下痢
2.代謝性アシドーシス――――嘔吐
3.代謝性アシドーシス――――慢性腎不全
4.呼吸性アシドーシス――――過換気症候群

1.× 
2.×
3.
4.×
代謝性アルカローシスは反復性嘔吐や胃液の吸引、原発性アルドステロン症などによっておこり、代謝性アシドーシスは腎不全、下痢などによっておこる。呼吸性アシドーシスは、COPD、呼吸筋の障害、呼吸不全などによっておこる。過換気症候群では、呼吸性アルカローシスがみられる。

正解は... 3

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編集記

酸塩基平衡という言葉を聞くだけで頭が痛くなる人も多いのではないでしょうか?
私もその1人です。学生時代は何となくしか理解できていなかったので、臨床に出てから苦労しました。わからないよ~!と叫びながら勉強したことを思い出します。(笑) 患者さんの状態をアセスメントするのに必要なことが多いので、これを機に是非、理解を深めて下さいね。

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